【2027年入試版】茨城県立高校偏差値ランキング

「うちの子の学力なら、茨城県内でどの県立高校が狙えるんだろう」——2027年春の受験を控えたこの時期、保護者の方からこうしたご相談を数えきれないほどいただきます。

私は茨城県内で20年以上、塾講師・家庭教師として中学生の高校受験指導に携わり、現在は高校進学アドバイザーとして県内の多くのご家庭の志望校選びをサポートしています。この記事では、その経験をもとに、茨城県立高校の偏差値ランキングを幅広い学力層でまとめたうえで、地域別の勢力図、茨城県ならではの入試の仕組み、直近(2026年春)の倍率動向、そして2027年春から変わる制度まで深掘りして解説します。

偏差値ランキングを見る前に知っておきたいこと

まず大前提として押さえておいていただきたいのは、高校の偏差値は模試を実施する予備校・塾によって数値が異なるということです。首都圏模試、Vもぎ、新教研もぎテストなど、茨城県内でよく利用される模試だけでも算出方法や母集団が違うため、同じ高校でも資料によって2〜4ポイント程度の差が出ることは珍しくありません(例えば江戸川学園取手高等学校の医科コースは、資料によって偏差値71前後とするものもあれば74前後とするものもあります)。また、地元の塾が独自に実施する模試(いわゆる「塾内偏差値」)は、全国規模の模試とは母集団もスケールも異なるため、数値がさらに低く出ることもあります。

そのため、以下のランキングは複数の大手進学情報サイトが公表しているデータを突き合わせ、共通して見られる数値帯を中心にまとめたものです。特に偏差値60前後より下の層については、資料によるばらつきがさらに大きくなる傾向があるため、あえて「グループ(帯)」表記にしています。あくまで「相対的な難易度の目安」として捉え、最終的な判断は必ずお子さんが実際に受けている模試の結果や、志望校の最新の入試情報で確認するようにしてください。

茨城県立高校 偏差値ランキング【全体像】

まずは私立を含めず、県立高校のみを偏差値順に並べたものをご覧ください。

上位グループ(偏差値65〜73)

順位 高校名 偏差値の目安 主な地域
1 水戸第一高等学校 73 県央(水戸市)
2 土浦第一高等学校 72 県南(土浦市)
3 竜ヶ崎第一高等学校 68 県南(龍ケ崎市)
3 竹園高等学校 68 県南(つくば市)
5 緑岡高等学校 67 県央(水戸市)
6 土浦第二高等学校 66 県南(土浦市)
7 日立第一高等学校 65 県北(日立市)
7 水戸第二高等学校 65 県央(水戸市)

上位進学校グループ(偏差値57〜64目安)

学習塾・進学情報サイトの集計を突き合わせると、次のような高校がこの帯に位置づけられています(学校名は五十音順、数値は目安の中心値)。

  • 牛久栄進高等学校(63前後・県南)
  • 下妻第一高等学校(61前後・県西)
  • 水海道第一高等学校(61前後・県西)
  • 水戸桜ノ牧高等学校(61前後・県央)
  • 下館第一高等学校(58前後・県西)
  • 藤代高等学校(57前後・県南)

中堅人気校グループ(偏差値50〜56目安)

いわゆる「ボリュームゾーン」と呼ばれる帯で、地域の中で確実に人気を集めている高校が多く含まれます。

  • 水戸第三高等学校/水戸商業高等学校(県央)
  • 鉾田第一高等学校(鹿行)
  • 牛久高等学校(県南)
  • 古河第三高等学校(県西)
  • 太田第一高等学校(県北)
  • 下妻第二高等学校/水海道第二高等学校(県西)
  • 水戸工業高等学校(県央)
  • 取手第一高等学校(県南)
  • 石岡第一高等学校(県南)
  • 佐和高等学校(49前後・県央)
  • 鹿島高等学校(48前後・鹿行)

※上位グループはみんなの高校情報など複数サイトの2026年度公表データを突き合わせた目安、上位進学校グループ・中堅人気校グループは複数の学習塾・進学情報サイトが公表している帯分けを参考にした概算です。実際に受験を検討する際は、必ずその学校が実際にどの模試を基準にしているかも合わせて確認してください。

こうして並べてみると、公立トップ層である水戸第一・土浦第一が頭ひとつ抜けており、竹園・緑岡・竜ヶ崎第一・土浦第二といった「地域トップクラスの公立高校」が偏差値65〜68のゾーンに集中しているのが、茨城県立高校の大きな特徴です。一方で、57〜64帯、50〜56帯にも地域ごとにしっかりとした人気校が存在しており、「自分の学力に合った学校」を探しているほとんどの受験生は、実はこの中間層のどこかに該当します。

地域別に見る茨城県立高校の勢力図

茨城県は県土が広く、通学圏は一般的に「県北」「県央」「県南」「県西」「鹿行」の5つの地域に分けて語られます。それぞれの地域で「地元トップ校」がどこかを把握しておくことは、志望校選びの土台になります。

県央地区(水戸市周辺)は、水戸第一を筆頭に、緑岡・水戸第二といった伝統校が層を成しており、県内でも特に競争が激しいエリアです。水戸第三・水戸商業・水戸工業・佐和など、中堅層の選択肢も豊富にあります。

県南地区(土浦・つくば市・龍ケ崎市周辺)は、土浦第一を頂点に、土浦第二、竜ヶ崎第一が続きます。つくば市に位置する竹園も、この県南エリアの上位校の一つです。牛久栄進・藤代・牛久・取手第一・石岡第一なども含め、上位から中堅まで層が厚いのがこのエリアの特徴です。つくば市周辺は研究学園都市という土地柄もあり、教育熱心な家庭が多く、私立中高一貫校との併願を視野に入れる受験生も目立ちます。

県北地区(日立市周辺)では日立第一が地域のトップ校として挙がり、太田第一も地域の人気校の一つです。県西地区(筑西・古河市周辺)では下妻第一・水海道第一・下館第一が上位を占め、鹿行地区(鉾田・鹿嶋市周辺)では鉾田第一・鹿島が地域の中で確実に上位を狙える高校として存在感を示しています。県央・県南に比べると最上位校の偏差値はやや落ち着く一方、地域内での競争ははっきりしているため、内申点を含めた対策の立て方が合否を分けやすい地域です。

現場から見えるポイント:茨城県ならではの入試の仕組み

長年指導をしていて感じるのは、茨城県の入試制度そのものを理解しているかどうかで、直前期の戦略の立て方が大きく変わるということです。

茨城県立高校の一般入学(共通選抜)では、「A群・B群」という2段階の合否判定が行われます。学力検査(5教科500点満点)の得点順位が募集人員の80%以内に入り、なおかつ調査書の3年間の評定合計(内申点)の順位も募集人員以内に入っていれば、その受検者は「A群」として原則合格になります。それ以外の受検者は「B群」に回り、学力検査重視・調査書重視という2つの選抜方法で合否が決まります。この2方式それぞれの合格者数の比率は、20:80から80:20の間で高校ごとに定められており、多くの高校では学力検査を重視する枠の比率を高く設定しています。つまり、内申点にやや不安があっても、当日の学力検査で高得点を取り切れれば「A群」で一気に合格ラインに届くケースがある一方、内申点だけでは合格を確約できない仕組みになっているのが茨城県の特徴です。

この仕組みを保護者の方に説明すると、「じゃあ内申点はそこまで気にしなくていいんですか」と聞かれることがよくあります。答えは半分イエス、半分ノーです。A群に入れなかった場合、B群では学力検査重視の選抜であっても調査書点がゼロになるわけではないため、内申点は最後まで「保険」として効いてきます。だからこそ、当日点を最大化する対策と、内申点を落とさない日々の積み重ねの両方を、学力層に関わらず並行して進めることを、私は指導の中で一貫してお伝えしています。

偏差値だけで志望校を決めてはいけない理由

長年多くの受験生を見てきて感じるのは、偏差値と「実際の合格ライン」は必ずしもイコールではないということです。上記のA群・B群の仕組みに加えて、内申点の比重や独自の傾斜配点が学校ごとに異なるため、模試の偏差値が届いていても内申点で届かないケースや、逆に偏差値がボーダーぎりぎりでも内申点で逆転できるケースが実際にあります。志望校を本格的に絞り込む段階に入ったら、偏差値表だけでなく、必ず志望校ごとの内申点の目安まで確認するようにしてください。

直近(2026年春)の入試倍率から読み解く動向

2027年春の入試予測に欠かせないのが、直近の倍率データです。2026年度(令和8年度)に実施された県立高校入試(全日制・志願先変更後)では、全体の募集定員16,647人に対して志願者数は15,211人、県全体の志願倍率は0.91倍でした。その中で、普通科で最も倍率が高かったのは水戸第一高校(普通科)の1.46倍です。上位グループの中でも、竹園(普通・国際)1.25倍、土浦第二(普通)1.17倍、緑岡(普通・理数)1.16倍、土浦第一(普通)1.12倍、竜ヶ崎第一(普通)1.03倍と、同じ「上位グループ」の中でも倍率にはかなりの差がありました。

中堅人気校グループでも、水戸第三(普通)1.38倍、水海道第一(普通)1.35倍、水戸商業(商業)1.34倍、日立第一(普通・サイエンス)1.31倍など、上位グループに劣らない高倍率になった学校が複数あります。「偏差値が少し低いから倍率も低いだろう」とは限らないのが、茨城県立高校入試の実態です。

なお、この数値はあくまで2026年春(令和8年度)の実績です。倍率は毎年変動するため、2027年春の受験生は、出願直前に発表される最新の志願状況(当初倍率・志願先変更後倍率)を必ずご自身で確認してください。

2027年春(令和9年度)入試で変わる制度

ここ数年、茨城県立高校入試は制度面でも変化が続いています。中でも保護者の方に必ずお伝えしているのが、次の2点です。

①「落ちたらどうなるか」の仕組みが変わります

これまで茨城県立高校入試では、合格発表後に定員割れした学校・学科に対して「第2次募集」が行われてきました。茨城県教育委員会が2026年7月に公表した「令和9年度県立高校入学者選抜リーフレット」によると、令和9年度(2027年春)の入試からはこの第2次募集が廃止され、代わりに次の2つの仕組みが導入される予定です。

1つ目は「第2希望校」への出願制度です。第1希望校へ出願したのち、志願先変更を経て公表される「第2希望の対象校」(欠員が出ている学校・学科)の中から、希望する場合のみ1校を選んで出願できます。第2希望校のための追加の学力検査はなく、2月25日に受けた学力検査の結果がそのまま使われます。第1希望校が不合格だった場合にのみ第2希望校の判定対象となり、結果は第1希望校と同じ3月11日に発表されます(第1希望校に合格した場合は第2希望校の判定対象にはなりません)。

2つ目は「欠員補充」です。3月11日の合格発表後になお欠員がある学校・学科について、3月16日に実施される予定で、これが実質的に旧・第2次募集の代わりとなる手続きです。対象は3月11日の合格発表で不合格となった人や、やむを得ない事情で一般入学の出願期間に出願できなかった人などで、選抜は調査書・面接を基本に行う予定とされています。

つまり、「出願前にあらかじめ第2の選択肢を用意しておける」点と、「それでも欠員が出た場合の最終的な受け皿が別途用意されている」点の両方が、2027年春から新しく整理される形になります。

②入試日程

同リーフレットによれば、令和9年度(2027年春)の入試は、一般入学(第1希望校)の出願が2月5日〜9日、志願先変更が2月15日〜16日、学力検査が2月25日、特色選抜・共通選抜の実技検査等が2月26日、追検査が3月4日〜5日、合格発表が3月11日、欠員補充が3月16日というスケジュールで予定されています。なお、令和9年度入学者選抜を実施する学校・学科等の正式公表は2026年10月下旬予定とされているため、最終的な詳細は今後の公式発表で確認するようにしてください。2027年度入試のスケジュールをより詳しく整理した記事もありますので、あわせてご覧ください。

2027年度 茨城県立高校入試のスケジュールを詳しく解説した記事はこちら

併願校の選び方と私立高校の偏差値目安

公立高校が第一志望の場合でも、私立高校を「併願校」としてどう位置づけるかは非常に重要な戦略です。目安として、県立高校の志望ラインに近い私立高校のコースを併願候補にしておくと、当日の緊張感や自信のつけ方をコントロールしやすくなります。

私立高校名 偏差値の目安(上位コース) 主な地域
江戸川学園取手高等学校(医科・東大コース) 70〜74 取手市
茨城高等学校 69〜70 水戸市
土浦日本大学高等学校(特別進学コース) 67〜71 土浦市
常総学院高等学校 66〜68 土浦市
水城高等学校 65〜67 水戸市
茗溪学園高等学校 66 つくば市

茨城県内では、江戸川学園取手・茨城・水城・常総学院・土浦日本大学といった私立進学校が、公立上位校の実質的な「滑り止め」として機能しているケースが多く見られます。ただし各校ともコースによって偏差値が大きく異なるため、必ず志望するコース名まで確認したうえで比較してください。

私立を単純な滑り止めとして考えるのではなく、「もし公立が不合格だった場合、その私立高校で3年間を過ごすことに納得できるか」という視点で選ぶことを、私は指導の中で必ずお伝えしています。偏差値の数字だけを追いかけて決めた併願校で、入学後にミスマッチを感じてしまう生徒を何人も見てきたからです。

「うちの子はボリュームゾーン」という方へ

ここまで幅広い偏差値帯の高校を紹介してきましたが、実際に相談を受けていて最も多いのは、偏差値50〜60前後の中堅人気校を目指すご家庭です。この層に共通しやすい悩みは、次のようなものです。

  • 部活が忙しく、塾に週2〜3回通うだけで精一杯
  • 中1・中2の内容に抜け漏れがあり、今の授業だけでは追いつけない
  • 塾には通っているが、自分の苦手分野だけをピンポイントで復習する時間が取れない

こうした悩みに対しては、必ずしも塾を増やすことだけが解決策ではありません。すきま時間に何度でも見返せる映像授業サービスを、通塾と並行してうまく使っている家庭ほど、中1・中2の抜け漏れを自分のペースで埋められている印象があります。

映像授業を組み合わせるメリットは、主に次の3点です。

  1. 学校や塾の授業進度に関係なく、苦手な単元だけを繰り返し見返せる
  2. 部活や習い事で忙しい日でも、スキマ時間に少しずつ進められる
  3. 中1・中2の基礎に戻って復習しても、誰かに気を遣う必要がない

特に偏差値50〜60台の高校を目指す場合、合否を分けるのは「難問が解けるか」よりも「基礎の抜け漏れをどれだけ減らせるか」であるケースがほとんどです。塾の授業だけでは埋めにくい部分を補う選択肢として、一度検討してみる価値はあると思います。

すきま時間での苦手克服に映像樹町という選択肢

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茨城県立高校受験のよくある質問(FAQ)

Q. 「A群」「B群」とは何ですか?

A. 学力検査(5教科500点満点)の得点順位が募集人員の80%以内に入り、かつ調査書の内申点の順位も募集人員以内に入っている受検者が「A群」として原則合格になります。それ以外は「B群」として、学力検査重視・調査書重視の2方式であらためて選抜されます(詳しくは本文「現場から見えるポイント」をご覧ください)。

Q. 内申点が足りない場合、合格は難しいですか?

A. 内申点だけで合否が決まるわけではありません。B群に回っても学力検査重視の選抜枠があるため、当日の得点力次第で挽回できる可能性はあります。ただし内申点はB群の判定でも考慮されるため、「当日一発逆転」だけに頼らず、日々の内申点も並行して意識しておくことをおすすめします。

Q. 茨城県立高校に落ちてしまったら、もう後がないのでしょうか?

A. これまでは「第2次募集」で再挑戦する道がありましたが、2027年春(令和9年度)からはこの制度が廃止される予定です。代わりに、出願時にあらかじめ「第2希望校」を選んでおける制度と、3月11日の合格発表後になお欠員がある場合に3月16日に実施される「欠員補充」(旧・第2次募集に相当)という、2つの仕組みが用意される見込みです。詳しくは本文「2027年春(令和9年度)入試で変わる制度」をご覧ください。制度の詳細は今後変更される可能性もあるため、最新情報は茨城県教育委員会の発表で必ず確認してください。

Q. 私立高校はどのくらい併願するのが一般的ですか?

A. ご家庭や志望校によって差はありますが、指導していて多いと感じるのは1〜2校を併願するケースです。あくまで私の指導経験に基づく傾向であり、正式な統計データではない点はご留意ください。

まとめ

茨城県立高校の偏差値ランキングは、水戸第一・土浦第一を筆頭とする上位グループから、地域ごとに層の厚い中堅人気校グループまで幅広く存在しています。ただし偏差値はあくまで目安であり、実際の合否はA群・B群の仕組みや内申点、当日の得点力、そしてその年の倍率とのバランスで決まります。さらに2027年春からは第2次募集の廃止など制度面の変更も控えています。ランキングを参考にしつつも、最新の制度情報を踏まえたうえで、お子さん自身の学力の伸びと内申点を含めた総合的な対策の両輪で志望校選びを進めていくことが、後悔のない受験につながります。