茨城県取手市に校舎を構える県立藤代高等学校と、聖徳大学附属取手聖徳女子高等学校は、地域を代表する進学校として長年親しまれています。
公立共学校と私立女子校という対照的な教育環境を持ちながら、どちらも「文武両道」を重んじ、高い進学実績を上げているのが特徴です。
私はこれまで茨城県内で20年以上、塾講師・家庭教師として数多くの受験生を指導し、現在は県内で高校進学アドバイザーとして活動しています。その立場から、両校の最新情報をできるだけ正確に、そして深く掘り下げてお伝えします。
2027年度の入試を検討する受験生や保護者の方にとって、両校の情報を正確に比較することは非常に重要です。単なる偏差値の比較だけでなく、部活動での活躍や大学合格実績、女子校ならではの専門コースなど、多角的な視点が欠かせません。
本記事では、公式サイトや教育委員会の発表など確認できる範囲の情報をもとに、受験生が最も気になる「偏差値」「部活動」「進学先」の3点を解説します。数字が年度によって変動しやすい項目については、断定を避け、幅を持たせた表現にしています。最終的な判断材料としては、必ず各校の公式サイトで最新の数値をご確認ください。
藤代高校と聖徳大学附属取手聖徳女子高校の偏差値と入試難易度の比較
藤代高校の偏差値と2027年度に向けた学力の目安
藤代高校の偏差値は、模試運営会社や高校情報サイトが公表しているデータを見る限り、57〜60程度で推移しています。茨城県内の公立高校の中では上位の中堅校に位置づけられ、取手市内では安定した人気を維持しています。
内申点や当日点の詳しい配点は年度によって調整されることがあるため、正確な基準は必ず学校説明会や茨城県教育委員会の発表で確認してください。目安としては、5教科・9教科ともにバランスよく得点できる「まじめにコツコツ取り組めるタイプ」の受験生に向いている学校だというのが、長年この地域で指導してきた実感です。
近隣の竜ヶ崎第一高校や牛久栄進高校といった上位校との併願層も多く、例年一定の志願者数が集まります。特に英語の長文読解や数学の記述問題で差がつきやすいため、標準的な問題を確実に得点する力を積み上げることが合格への近道です。
聖徳大学附属取手聖徳女子高校のコース構成と偏差値の目安
聖徳大学附属取手聖徳女子高校は、私立女子校として独自のコース展開を行っています。現在の学科・コース構成は次の通りです。
- 普通科:総合進学コース(幅広い進路に対応する基本コース)
- 普通科 吹奏楽コース(音楽と学業を両立する県内・千葉県内でも珍しいコース)
- 普通科 児童保育コース(幼稚園教諭・保育士・小学校教諭を目指す)
- 普通科 看護コース(聖徳大学看護学部と連携した医療系コース)
- 音楽科(実技試験の配点比率が高い専門学科)
さらに2027年4月からは、新たに「スポーツコース」の始動が公式サイトで予告されています。コース再編や新設が続いている学校のため、募集要項は年度ごとに変わりやすく、2027年度入試を検討する場合は必ず最新のパンフレットや説明会で確認することをおすすめします。
偏差値については情報サイトによって幅がありますが、おおむね45〜56程度の範囲で、コースや入試方式によって基準が異なります。特に吹奏楽コースや音楽科は実技試験の配点比率が高いため、筆記試験対策と並行して実技の研鑽が欠かせません。
入試は推薦入試(単願・併願)と一般入試が中心で、2026年度入試からは全入試方式で3教科(国・数・英)に統一されるなど、制度変更も比較的頻繁に行われています。英検の級に応じたみなし得点制度なども導入されているため、資格取得を計画的に進めておくと有利になります。
両校の入試スケジュールと2027年度の注意点
2027年度(令和9年度)の茨城県立高校入試は、学力検査が2027年2月25日(木)に実施される予定です(茨城県教育委員会発表)。藤代高校を受検する場合、この本番一発勝負の得点が合否に大きく影響します。
出願は例年1月下旬から2月上旬にインターネットを通じて行われ、志願先変更の機会も設けられます。細かな日程は年度によって前後することがあるため、最新のスケジュールは県教育委員会の公式発表や、入試日程を詳しくまとめた令和9年度 茨城県立高校入試日程カレンダーなどのページで随時確認しておくと安心です。
一方、取手聖徳女子高校の推薦入試・一般入試は1月中旬に実施されるのが通例です。藤代高校を第一志望とする女子受験生にとって、私立の併願先を先に確保しておくことは、精神的な安定にもつながります。1月に私立の合格を得たうえで、2月の公立本番に全力を尽くすというのが、取手地域の受験生によく見られるパターンです。
併願戦略と特待生制度の考え方
藤代高校を目指す際、私立の併願校選びは重要な検討事項です。学力レベルが近い取手聖徳女子の総合進学コースなどは、女子受験生にとって現実的な併願先の一つになり得ます。もちろん土浦日本大学高校や常総学院高校など、他の私立を併願する家庭も多く、通学のしやすさや教育方針を踏まえて選ぶことが大切です。
取手聖徳女子には学力特待に関する制度があり、入試の成績や英検の級などに応じて授業料の負担が軽減される仕組みがあります。制度の名称や適用条件は年度によって変更されることがあるため、正式名称や基準は必ず募集要項や学校説明会で直接確認してください。「藤代高校に合格できる学力があれば、特待の可能性も十分にある」という考え方自体は、長年多くの受験生を見てきた実感としても納得感があります。
藤代高校の特色ある部活動と文武両道の伝統
硬式野球部の実績とプロ野球選手の輩出
藤代高校の硬式野球部は、茨城県内でも存在感のあるチームです。過去に甲子園へ5度出場した実績があります(2001年春・2003年春・2005年夏・2011年夏・2014年夏)。プロ野球選手として東京ヤクルトスワローズでプレーした野口祥順選手や、元横浜ベイスターズの投手だった鈴木健之選手など、卒業生を輩出しています。
野球部以外にも、バドミントン部・女子テニス部・弓道部・水泳部などが盛んに活動しており、公立高校ながら部活動への加入率が高いのが特色です。「部活動で培った時間管理能力や集中力は、受験勉強にも活きる」というのは、多くの卒業生・在校生を見てきた中で実感するところです。
文化部の多様性
吹奏楽部や写真部をはじめ、文化系の部活動も活発です。地域のイベントに参加する機会もあり、生徒たちが学校の外に出て活動する経験は、進路選択の幅を広げるきっかけにもなっています。
理系分野に関心のある生徒向けの探究活動や、パソコンを使った活動なども行われており、こうした取り組みの記録は総合型選抜(旧AO入試)の出願書類でアピール材料になることもあります。
学校行事と生徒の自主性
文化祭(藤朋祭)や体育祭、駅伝大会などの行事は生徒主体で運営される場面が多く、部活動での結束力が行事の盛り上げにも生かされています。定期試験前は部活動が休止になる期間があり、勉強と部活動のメリハリをつけやすい環境が整っています。
聖徳大学附属取手聖徳女子高校の女子校ならではの部活動と情操教育
全国レベルの吹奏楽部
取手聖徳女子高校を語るうえで欠かせないのが、全国レベルの実力を持つ吹奏楽部です。第30回日本管楽合奏コンテスト全国大会(2024年11月開催)の高等学校A部門において、本校吹奏楽部は3年連続となる最優秀賞を受賞しました。この「最優秀賞」は複数校が受賞する部門賞であり、最上位の文部科学大臣賞・最優秀グランプリ賞とは異なりますが、3年連続で全国トップクラスの評価を受け続けていること自体、非常に高い水準の実績です。
普通科には吹奏楽コースが設置されており、県内・千葉県内でも珍しい制度として、音楽に打ち込みながら普通科の学びも両立できる環境が整っています。
「和」の精神を学ぶ礼法教育
取手聖徳女子高校の建学の理念は「和」です。小笠原流礼法や会食(給食)、書道といった伝統文化・情操教育に力を入れていることが公式サイトでも紹介されています。マナーの習得にとどまらず、他者を思いやる心や立ち居振る舞いを段階的に学ぶ機会が用意されているのが特色です。
女子が主役の運動部
女子校である取手聖徳女子高校では、すべての部活動で女子生徒が主役です。バレーボール部やテニス部、陸上競技部、水泳部(アーティスティックスイミングでの全国大会出場実績もあります)など、限られた人数の中でも集中して活動できる環境が強みです。2027年4月には新たにスポーツコースが始動予定で、今後スポーツ系の活動がさらに強化されることが見込まれます。
藤代高校の進学実績と国公立大学への強み
藤代高校は、国公立大学への現役合格に力を入れている学校です。ある年度には国公立大学への現役合格者が53名(当時としては15年ぶりの好実績)となり、内訳として茨城大学12名、筑波大学1名、埼玉大学2名などが公式サイトの進路ニュースで報告されています。一方で別の年度では国公立大学の合格者が47名、私立大学のGMARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)合格者が18名という報告もあり、年度によって数値には幅があります。
私立大学については、日東駒専(日本・東洋・駒澤・専修)を中心に、多くの生徒が現役で進学しています。正確な合格者数は年度ごとに大きく変動するため、最新の実績は藤代高校公式サイトの「進路実績」ページで確認するのが確実です。
指定校推薦の枠も比較的豊富で、3年間の校内成績を安定させることで、一般入試とは別ルートでの進学も選択肢に入ります。看護学部や教育学部など、伝統的な学部以外を志望する生徒も増えている印象です。
聖徳大学附属取手聖徳女子高校の多様な進路と出口の保証
取手聖徳女子高校の大きな特色は、併設された聖徳大学・聖徳大学短期大学部への内部進学制度です。聖徳大学は教育・保育、看護、管理栄養士、心理学などの分野で実績を持つ大学で、高校3年間の成績や活動実績をもとに内部進学の道が用意されています。内部進学を利用する生徒の割合は年度によって変動するため、正確な数値は学校説明会や公式サイトの進路実績ページで確認してください。
看護コース・児童保育コースでは、聖徳大学との高大連携により、高校生のうちから大学の設備を使った実習や講義を体験できる機会が用意されています。これらのコースは、大学に入るための勉強だけでなく「その先の職業」を見据えた実践的な学びを重視しているのが特徴です。
内部進学だけでなく、GMARCHや女子大学(日本女子大学、東京女子大学、津田塾大学など)への指定校推薦枠も持っており、外部の大学を目指す生徒へのサポート体制も整っています。
まとめ|藤代高校vs聖徳大学附属取手聖徳女子高校|偏差値・部活・進学先
- 藤代高校の偏差値はおおむね57〜60程度で、取手市内の県立校として安定した人気を維持。
- 取手聖徳女子の偏差値はコースにより45〜56程度の幅があり、2027年度以降はスポーツコースの新設も予定されている。
- 藤代の部活動は甲子園に5度出場した実績を持つ野球部をはじめ、複数の部活動が活発に活動している。
- 取手聖徳女子の部活動は、全国大会で3年連続最優秀賞を受賞した吹奏楽部や、礼法・書道など独自の情操教育が魅力。
- 藤代の進学実績は、茨城大学を中心とした国公立大学や日東駒専クラスの私立大学への現役合格に強みがある(数値は年度により変動)。
- 取手聖徳女子の進学先は、系列の聖徳大学への内部進学制度が大きな特徴で、専門職を目指す生徒への「出口の保証」がある。
- 2027年度(令和9年度)の学力検査日は2027年2月25日(木)の予定。最新の日程は必ず公式発表で確認を。
- 教育方針の違いとして、藤代は共学の公立校らしい自主性重視、取手聖徳女子は「和」を大切にする女子教育。
- 通学面では、藤代高校は最寄り駅からバスや自転車での通学が基本、取手聖徳女子はスクールバス網で広域から通学しやすい環境が整っている。
- 学校の混同に注意。県立の「藤代高校」と「藤代紫水高校」は所在地も偏差値帯も異なる別の学校です。
受験勉強は、学校の授業や塾だけでなく、家庭での学習の質によっても大きく差がつきます。実際、藤代高校でもICT教材を活用した家庭学習の後押しが行われていますが、こうした映像授業型の学習サービスは、通学時間や部活動で忙しい受験生の強い味方になります。すきま時間に基礎から入試レベルまで一人で進められるスタサプのようなサービスを取り入れて、学校の授業と併走させていくのも、2027年度入試に向けた一つの選択肢と言えるでしょう。






