茨城県南エリアで志望校を検討する際、私立の伝統校である「常総学院高校」と、県立の進学校として根強い人気を誇る「牛久高校」の比較は、受験生や保護者様にとって非常に重要なテーマです。
どちらも魅力的な学校ですが、教育システムや進学目標、さらには入試の難易度において、それぞれ独自の特色を持っています。
筆者は茨城県内で20年以上にわたり塾講師・家庭教師として中学生の受験指導にあたり、現在は県内で高校進学アドバイザーを務めています。本記事では、その経験と両校の公式サイトなどの一次情報をもとに、2026年時点で確認できる最新の偏差値、部活動の実績、そして進学実績を可能な限り正確にまとめました。数値は年度や調査時期によって変動するため、最終的な判断の際は必ず各校の公式サイトもあわせてご確認ください。
常総学院高校と牛久高校の2027年度入試に向けた基本情報
常総学院高校の4つのコース体系と教育目標
常総学院高校は、生徒の学力と志望進路に合わせて「特進選抜コース エクセレント(Exクラス)」「特進選抜コース 特進クラス」「進学選抜コース プログレス」「進学選抜コース フロンティア」という4つのコースを設けています。
最上位のExクラスは、東大をはじめとする最難関国立大学や医学部への現役合格を目標とし、少数精鋭での徹底した学習指導が行われます。知識の習得にとどまらず、問題発見力や論理的思考力を育てる特別講座も組み込まれているのが特徴です。
特進クラスやプログレスコースでも、私立ならではの豊富な授業時間と、探究活動・学校行事を通じてプレゼン力を育てる指導が提供されています。
2027年度入試においても、この「現役合格にこだわる指導」は不変であり、県内トップレベルの私立校としての地位を保っています。
牛久高校が採用する「単位制」の仕組みとメリット
茨城県立牛久高校は、2021年度(令和3年度)に従来の学年制から単位制へと改編された、全日制普通科の単位制高校です。生徒の主体性を重んじる教育プログラムを展開しています。
2年次以降は多数の選択科目の中から、自分の進路希望や興味関心に合わせて時間割を自由にカスタマイズできるのが最大の魅力です。
これにより、大学入試に必要な科目に重点を置いた学習や、興味のある分野を深掘りする専門的な学びが公立校ながら可能となっています。
生徒一人ひとりが自分の進路を自らデザインする姿勢を養うことで、大学進学後のミスマッチを防ぐ効果も期待できる環境です。
2027年度入試の日程とインターネット出願の留意点
常総学院高校の入試は例年1月に実施され、単願推薦・併願推薦・一般入試の各区分でインターネット出願が採用されています。
対して牛久高校は、2月下旬から3月上旬にかけて実施される茨城県立高校入試のスケジュールに準じ、5教科の学力検査と調査書(内申点)で合否が決まります。県立高校入試には「特色選抜」など複数の選抜区分があるため、自分がどの区分で受験するのかを早めに整理しておくことが大切です。
2027年度入試の詳細な日程は、両校とも秋頃に公式サイトで最新の募集要項を公開する予定です。茨城県全体の公立高校入試スケジュールについては、茨城県公立高校2027年度入試日程まとめでも整理していますので、あわせてご確認ください。
受験校を決定する際には、入試日程の重複がないか、また出願書類の提出期限に遅れがないかを保護者様と共にダブルチェックしてください。
常総学院高校と牛久高校の偏差値・難易度・合格ボーダー
常総学院高校のコース別の目安偏差値
常総学院の偏差値はコースごとに幅があり、情報源によって数値に多少の差があります。おおよその目安としては、最上位の特進選抜Exクラスで60台後半、特進クラスで50台後半〜60台前半、進学選抜プログレスで50前後、フロンティアで47〜50前後というレンジで語られることが多いです。
入試成績に応じて、授業料や入学金の一部・全額が免除される特待生制度が設けられている点も私立校ならではの特徴です。特待の判定基準や免除内容はコース・年度によって変わるため、詳細は必ず学校説明会や公式サイトの最新情報で確認してください。
牛久高校の偏差値と当日の目標点数
牛久高校の偏差値は、模試運営会社や情報サイトによって51〜56程度とやや幅があり、県南エリアの中堅〜中堅上位層が多く志望するボリュームゾーンに位置しています。
合格の目安となる当日の得点や内申点の水準は年度によって変動するため、直近の入試結果や倍率は、茨城県教育委員会の発表資料や学校説明会で必ず確認するようにしてください。単位制導入以降、志願者数はおおむね安定して推移しています。
併願戦略:牛久高校志望者が受けるべき常総学院のコース
牛久高校を第一志望とする受験生の多くは、併願先として常総学院の「進学選抜プログレス」や「特進選抜 特進クラス」を受験するケースが多く見られます。
常総学院の入試で合格を確保しておくことで、3月の県立本番に向けて精神的な余裕を持って学習に取り組むことが可能になります。
もし常総学院で上位クラスの特待合格を勝ち取れた場合は、牛久高校より上位の県立校への変更を検討する一つの材料にもなります。逆に、常総の結果が思わしくなかった場合は、牛久高校への出願を最終確認するための重要なデータとして活用されることになります。
常総学院高校と牛久高校の進学実績・合格力・キャリア教育
常総学院高校:難関大学への合格実績を支える進学指導
常総学院は例年、国公立大学・難関私立大学へ多数の合格者を輩出しており、2025年度実績では茨城大学に約39名が合格するなど、地元国公立大への強さが際立ちます。東京大学や京都大学、旧帝大クラス、防衛大学校・防衛医科大学校といった難関校への合格者も継続的に出しており、私立ならではの特訓講座が成果を上げています。
3年生になると志望校別の演習が中心となり、放課後の補習や個別添削指導が行われるなど、熱意ある指導が魅力です。
正確な年度別の合格者数(国公立大学合計・GMARCH合計など)は年ごとに変動するため、最新の数値は常総学院高校の公式サイト「大学合格実績」ページで必ず確認することをおすすめします。
牛久高校:地元国公立大・日東駒専レベルへの安定した合格実績
牛久高校の公式サイトが公表している最新の進路実績(2026年3月卒業生/令和8年度入試)によれば、国公立大学へ30名が合格しており、内訳は茨城大学15名、茨城県立医療大学7名、筑波大学1名などとなっています。
私立大学では、獨協大学6名、国際医療福祉大学14名、日本大学6名、東洋大学4名、東京電機大学7名など、幅広い大学に合格者を出しています。年度によって合格者数は変動しており、たとえば前年(令和7年度)は東洋大学18名、千葉工業大学84名など、私立大学の内訳が大きく変わる年もあります。
単位制のメリットを活かし、推薦入試や総合型選抜への対策を早期から行う生徒が多く、多様な入試方式で進路を実現しているのが特徴です。指定校推薦枠も保持しており、日々の学習を大切にしながら、希望する私大へ着実に進学する環境が整っています。
キャリア教育と比較:将来を見据えた進路選択の支援
常総学院では、大学教授による出張講義や職業人講義が行われ、早い学年から将来のビジョンを描く機会が用意されています。
一方、牛久高校では、100科目を超える選択科目の中から自分で時間割を組み立てる「科目選択」そのものがキャリア教育の核となっており、自分の未来を自分で選ぶ力を養います。実際、両学年合同での探究発表会なども実施されており、生徒が自ら考え発表する機会が重視されています。
どちらの学校も「単に偏差値の高い大学に入る」ことだけを目的とせず、その先の社会でどう生きるかを重視した指導を行っています。
常総学院高校と牛久高校の部活動・施設・学校行事
常総学院高校:全国区の野球部・吹奏楽部と充実の施設
常総学院の硬式野球部は、選抜高等学校野球大会(春の甲子園)と全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)合わせて優勝2回・準優勝2回という実績を持つ全国屈指の強豪です。吹奏楽部も全日本吹奏楽コンクールの常連校で、これまでに複数回の金賞を受賞している名門です。
広大な敷地には、甲子園とほぼ同じ広さのメイン球場や、テニスコート、ICT教室、個別ブース完備の自習室など、私立ならではの施設が揃っています。
部活動と勉強をハイレベルに両立させる「文武両道」を掲げ、スポーツ推薦の生徒だけでなく一般の生徒も高い刺激を受ける環境です。学校行事も体育祭や文化祭(常友祭)など、規模の大きなイベントが特徴です。
牛久高校:陸上競技部(駅伝部)が全国レベルの実力校
牛久高校は公立校ながら部活動が盛んで、特に近年著しい実績を上げているのが陸上競技部(駅伝部)です。女子駅伝は2025年の茨城県高校駅伝で県立高校トップの成績を収め、関東高校駅伝への初出場を果たしています。さらに個人種目でも、U20日本選手権や国民スポーツ大会の女子障害物競走で優勝し、日本高校最高記録を保持する選手を輩出するなど、全国レベルの活躍を見せています。
柔道部やラグビー部も活発に活動しており、部活動体験会には毎年多くの中学生が参加しています。吹奏楽部もクリスマスコンサートを開催するなど、文化部の活動も盛んです。
校風は比較的自由で主体性が尊重されており、文化祭(紫輝祭)などの行事は生徒会が中心となって作り上げられています。JR牛久駅から通学圏内というアクセスの良さも相まって、放課後を部活動や自主学習に有効に活用している生徒が多い学校です。
施設と通学環境:3年間の高校生活を支えるインフラ
常総学院は土浦市に位置し、県内各地からスクールバスが運行されているため、遠方からの通学もスムーズに行えます。
一方の牛久高校は、JR牛久駅や、ひたち野うしく駅からのバス・自転車通学の生徒が多く、安全かつ利便性の高い通学環境が整っています。
施設面では、常総学院の学食や売店の充実ぶりが生徒に好評な一方、牛久高校はICT機器を活用した探究学習の環境が整えられています。両校とも、タブレット端末やChromebookを活用した授業が展開されている点は共通です。
常総学院高校と牛久高校に合格するための入試対策・学習法
常総学院高校:マークシート方式の攻略と5教科の基礎固め
常総学院の一般入試は、マークシート方式を基本としており、正確な知識とスピーディーな処理能力が合否を分けます。
国・数・英・社・理の5教科において、難問を解くことよりも、教科書レベルの基本事項で「取りこぼし」をしないことが最優先です。特に数学では図形や関数の定番問題、英語ではリスニングと長文読解の対策に力を入れ、過去問を用いた時間配分の練習が欠かせません。
上位クラスや特待合格を狙う受験生は、冬までに中学全範囲の演習を終え、直前期は過去問を繰り返し解いて、ミスを減らす訓練を積むことが大切です。
牛久高校:県立入試の記述対策と内申点の確保
牛久高校合格を目指す県立入試対策では、近年重視されている「記述式問題」で部分点を着実に積み上げることが合格への近道です。
数学の証明問題、理科の実験説明、社会の資料読み取り記述など、自分の言葉で論理的に説明する力を重点的に養う必要があります。
また、内申点(調査書)の配点も大きいため、定期テストでは5教科だけでなく、実技4教科も含めた合計点数を意識することが大切です。
冬休み以降は、茨城県の過去問を繰り返し解くとともに、初見の記述問題に対応できる柔軟な思考力を磨きましょう。
直前期の過ごし方:併願受験を成功させるスケジュール管理
1月に常総学院を受験し、そこで出た課題を分析した上で、3月の県立(牛久高校)本番に向けてラストスパートをかけるのが理想の流れです。
常総学院の合格通知を受け取ることで、「どこにも行く場所がない」という不安を払拭し、攻めの姿勢で県立対策に集中することができます。
2月は新しい参考書には手を出さず、これまで使ってきた問題集の間違えた箇所を解き直す「総復習」に時間を割いてください。
体調管理を第一に考えつつ、毎日5教科全てに触れることで、入試本番で力を発揮できる状態を作り上げましょう。学習習慣そのものに不安がある場合は、映像授業と演習を組み合わせた学習サービス「スタサプ」のようなツールを日々の自宅学習に取り入れて、5教科をバランスよく回す仕組みを作っておくのも一つの方法です。
まとめ|常総学院高校と牛久高校における偏差値・部活・進学先の比較
- 常総学院高校のコースは、特進選抜(Exクラス・特進クラス)と進学選抜(プログレス・フロンティア)の4本立て。偏差値は情報源により幅があり、Exクラスが最も高い。
- 牛久高校は偏差値51〜56程度で、単位制という特色ある学びで人気を集める進学校である。
- 常総学院は地元国公立大や難関大学に継続して合格者を輩出。正確な年度別合計数は公式サイトで要確認。
- 牛久高校は2026年3月卒業生で国公立大学30名が合格。地元茨城大や日東駒専レベルへの合格者も多い。
- 常総学院の部活動は野球部・吹奏楽部が全国区。専用球場などの施設も非常に充実している。
- 牛久高校は陸上競技部(駅伝部)が全国レベル。柔道部やラグビー部も活発で、主体的な学校生活が送れる。
- 常総学院の入試は1月。マークシート方式への慣れと、5教科の基礎固めが必要。
- 牛久高校(県立)の入試は2月下旬〜3月上旬。記述式問題の対策と、中学1年からの内申点管理が重要。
- 2027年度入試では、両校とも最新の公式情報を確認し、インターネット出願に備えること。
- 自分の将来像(バリバリ勉強して難関大か、単位制で自主的に学ぶか)に合わせて選ぶことが大切。






