牛久高校vs東洋大牛久高校|偏差値・部活・進学先

茨城県牛久市には、県立の「牛久高校」と、東洋大学の附属校である私立「東洋大学附属牛久高校」という、性格の異なる2つの高校があります。

私は茨城県内で20年以上、塾講師・家庭教師として生徒を指導し、現在は高校進学アドバイザーとして活動していますが、この2校は毎年のように併願・比較の相談を受ける組み合わせです。

結論から言うと、**「公立で幅広い進路を目指すなら牛久高校」「大学付属のメリットを生かしたい、または英語・スポーツで強みを伸ばしたいなら東洋大牛久」**という選び方が、多くのご家庭にとって現実的な判断基準になります。

この記事では、両校の公式サイトの情報を中心に、沿革、入試方式、コース編成、部活動、進学実績、学費までを一次情報ベースで深掘りし、それぞれの高校がどんな生徒に向いているのかを具体的に解説します。

牛久高校と東洋大牛久の基本情報比較

まずは全体像をつかむために、両校の基本情報を一覧にまとめました。スマートフォンでも見やすいよう、主要な項目だけに絞っています。

項目 牛久高校(県立) 東洋大牛久(私立)
設置形態 公立・普通科 私立・中高一貫(高校からも入学可)
コース数 学年進行で文理選択 5コース制
主な進学先 国公立・日東駒専クラス中心 東洋大学(附属推薦)中心+難関私立にも実績
部活動の特色 陸上(駅伝)が全国レベル 相撲・テニスが全国区

コース編成や入試方式など、より詳しい情報はこのあとの各セクションで解説します。

偏差値については、模試を実施する会社によって数値が大きく異なる点に注意が必要です。

情報源 牛久高校 東洋大牛久(コース別)
みんなの高校情報(2026年度版) 56 特別進学61/グローバル58/スポーツサイエンス57/進学56
進研ゼミ(2025年度・B判定値) 45〜49
茨進(塾内模試・合格ライン) 80%合格52/60%合格48

このように、同じ「牛久高校」でも算出元によって10ポイント近い開きがあります。これは模試を実施する会社ごとに母集団や算出方法が異なるためで、どれか一つが「正しい」というものではありません。塾で受けている模試の偏差値を基準にしつつ、複数の情報源を参考程度に見比べるのが実践的な使い方です。正確な合格ラインは、必ず志望校の公式サイトや通っている塾の最新データで確認してください。

牛久高校の特徴|公立普通科としての強み

牛久高校は「進路を極める牛久、人間性を高める牛久、国際社会を生きる牛久」をスローガンに掲げる牛久市内の県立高校です。牛久市内にはもう1校、県立牛久栄進高校(牛久市東猯穴町)もありますが、牛久高校は牛久市岡見町にあり、市内で最も早く開校した県立高校にあたります。

普通科のみの設置で、課程は学年制(学年やクラスの単位で進級していく仕組み)です。学年が上がるにつれて文系・理系や進路希望に応じたクラス編成が行われ、一人ひとりの志望に合わせた指導が組まれているのが特徴です。校訓は「明るく・たくましく・優しく」。

なお、同じ牛久市内にある牛久栄進高校は1997〜1998年(平成9〜10年)に県内でいち早く単位制へ移行した高校として知られていますが、牛久高校はこれとは別に、学年制の普通科として運営されています。似た名前の2校のため、この点は受験生・保護者からもよく混同されるポイントです。

沿革|開校から45年以上の歴史

牛久高校は1980年(昭和55年)、プレハブ校舎での開校からスタートした、比較的新しい部類に入る県立高校です。翌1981年に本校舎・体育館が完成し、1982年には第1回紫輝祭(文化祭)が開催されました。1994年にはオーストラリア・オレンジ市のジェームズ・シーハン・カトリック高校と姉妹校提携を締結し、以来30年以上にわたって国際交流を継続しています。2003年には文部科学省指定「学力向上フロンティア・ハイスクール」に選ばれるなど、進学指導の面でも実績を積み重ねてきました。2009年には開校30周年記念式典が行われており、単純計算では2029年前後に開校50周年を迎える計算になります。

進学実績

2024年度の実績としては、茨城大学(6名)、筑波大学(3名)、北海道大学(1名)、茨城県立医療大学(5名)など、国公立大学は地元・近隣圏を中心に堅実な合格者を出しています。私立では明治大学、青山学院大学、立教大学、法政大学といったGMARCHクラスへの合格者もいるほか、日本大学・東洋大学・駒澤大学・専修大学といった日東駒専クラス、麗澤大学や千葉工業大学への進学者数も多い、というのが学校の傾向です。

なお、大学別の具体的な進学者数は年度・集計元によって振れ幅があるため、正確な最新データは学校の「進路実績」ページで確認することをおすすめします。

部活動

牛久高校の部活動は、運動部11団体・文化部10団体の計21団体が公式サイトに掲載されています。

  • 運動部:硬式野球、サッカー、バドミントン、女子バレーボール、バスケットボール、卓球、ハンドボール、弓道、ソフトテニス、陸上競技・駅伝、柔道
  • 文化部:美術、写真、文芸、吹奏楽、社会福祉、軽音楽、演劇、英語、科学、書道

中でも特に目を引くのが陸上競技・駅伝部です。2025年(令和7年度)の県高校駅伝女子の部で総合4位(県立高校では1位)となり、関東高校駅伝への初出場を果たしました。さらに同部門の生徒がU20日本陸上競技選手権や国民スポーツ大会の障害種目で優勝し、日本高校最高記録を保持するなど、近年全国レベルで力をつけています。柔道部も茨城県内の公立高校の中で実績のある部として口コミなどで評価されており、吹奏楽部の定期演奏会や、オーストラリアの姉妹校との国際交流プログラムなど、文武両面での取り組みが盛んです。文化祭「紫輝祭」も毎年盛大に行われています。

東洋大学附属牛久高校の特徴|5コース制と大学付属のメリット

東洋大学附属牛久高校(通称:東洋大牛久)は、1964年(昭和39年)に牛久市柏田町の現在地で開校した、東洋大学附属の私立校です。「独立自活」「知徳兼全」を建学の精神に掲げ、2015年には中学校が併設されて中高一貫校となりました。現在は男子922名・女子838名(2025年4月時点)が在籍しています。文部科学省の「文理融合型スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」にも指定されており、哲学思考とデータサイエンスを融合させた探究プログラムに力を入れています。

高校からの入学者は、以下の4コースに分かれます(中学からの内部進学生は「中高一貫コース」に在籍)。2026年度入学生からは、進学コースに理数フロンティアクラスが新設され、グローバルコースにはターム留学制度が導入されるなど、コース内容が毎年アップデートされている点も特徴です。

  • 特別進学コース:国公立大学・難関私立大学への進学を目指す
  • グローバルコース:英語力の強化に重点を置き、海外語学研修を取り入れたカリキュラムを展開(2026年度入学生からはターム留学制度も導入)
  • 進学コース(理数フロンティアクラス含む):東洋大学への進学を軸に、バランスよく学力を伸ばす
  • スポーツサイエンスコース:学業と部活動の両立を図り、関東大会・全国大会レベルでの活躍を目指す(「スポーツコース」と略して呼ばれることもあります)

一言で言えば、進学の主眼を東洋大学付属推薦に置くか、国公立・難関私立を目指すか、英語・国際教育に力を入れるか、スポーツで頑張るかによって選ぶコースが変わる、という構造です。

進学実績

東洋大学への進学については、附属推薦制度を利用して卒業生の4割以上が東洋大学の各学部へ進学しているとされます(推薦基準は学部・学科ごとに異なり、3年間の学業成績・出席状況・人物評価などが総合的に判断されます)。一方で、附属推薦にとらわれず、筑波大学などの国公立大学や、上智大学・法政大学・青山学院大学といった難関私立大学に進学する生徒も一定数おり、進路の選択肢は決して東洋大学だけに限定されません。

部活動

東洋大牛久の部活動で全国的に知られているのが相撲部です。全国区の実績で知られ、インターハイ出場経験もあります。ほかにも関東高校テニス大会での優勝実績とインターハイ出場経験を持つ女子硬式テニス部、同じくインターハイ出場経験のある空手部が活躍しており、野球場やテニスコート(砂入り人工芝7面)、県内初の400mタータントラックなど、運動部の活動を支える施設面の充実も特徴の一つです。文化祭は「創造祭」という名称で、2日間にわたり模擬店やステージイベントで盛り上がります。

部活動を徹底比較|駅伝・柔道の牛久、相撲・テニスの東洋大牛久

ここまでの内容を踏まえて、両校の部活動を横並びで整理すると、強みのある種目が対照的であることが分かります。

項目 牛久高校 東洋大牛久
全国区の実績がある部 陸上競技・駅伝部(U20日本選手権優勝、関東高校駅伝出場) 相撲部・女子硬式テニス部・空手部(インターハイ出場、テニス部は関東大会優勝)
施設の特色 沼風会館(共同宿泊学習施設)など 野球場、砂入り人工芝テニスコート7面、400mタータントラック
文化祭 紫輝祭 創造祭

わかりやすい目安としては、駅伝や柔道で結果を残したいなら牛久高校、相撲やテニスで全国を目指したいなら東洋大牛久です。ただし紹介した以外にも両校とも幅広い部が活動しているため、志望する部活動が実際にどのレベルで活動しているかは、必ず学校説明会や部活動体験会で直接確認してください。

入試方式の違い|公立1本の牛久高校、5方式ある東洋大牛久

見落とされがちですが、入試の受け方そのものが2校でまったく異なります。

牛久高校は公立高校のため、茨城県共通の入試制度に沿って選抜が行われます。学力検査を中心とした一般入試に加え、部活動や資格・特技などを評価材料に加える「特色選抜」の実施校でもあり、令和8年度は2026年2月26日に入試が実施される予定です(日程は年度により変動するため、最新情報は学校公式サイトの「入試情報」で必ず確認してください)。公立高校入試は原則1校しか出願できない点も、私立とは大きく異なるルールです。

一方、東洋大牛久は私立校らしく、目的別に5つの入試方式を用意しています。

入試方式 概要
A入試 単願推薦(第一志望として受験)
B入試 一般入試(5教科・本校会場)
C入試 一般入試(5教科・つくば会場/対象地域限定)
D入試 併願推薦(千葉県内の中学校在籍者対象)
E入試 一般入試(特色型2教科)

出願はすべてインターネット出願方式で行われます。単願推薦(A入試)は主に第一志望者向け、一般入試(B・C・E入試)は公立高校との併願を前提とした受験生にも開かれた方式です。どの方式が自分に合うかは、志望順位や在籍する中学校の所在地によっても変わるため、募集要項を早めに確認しておくことをおすすめします。

学費はどのくらい違うのか

進路選びで避けて通れないのが学費の問題です。ここでは2026年度(令和8年度)時点の制度を踏まえて整理します。

2026年4月1日施行の制度改正により、「高等学校等就学支援金制度」の所得制限は公立・私立ともに完全に撤廃されました。これにより、世帯収入にかかわらず、公立高校は年11万8,800円、私立高校(全日制)は年45万7,200円を上限に授業料相当額が支給される仕組みになっています。

牛久高校(公立)の場合、この支給額が公立高校の授業料水準とほぼ一致するため、授業料は実質無償となります。教材費や修学旅行積立金など授業料以外の諸経費はかかりますが、私立と比べて家計への負担は小さく抑えられます。

一方、東洋大牛久(私立)は、第三者機関の集計で確認できる入学金21万円・授業料34.8万円程度に加えて、次のような費用が学校公式の募集要項に記載されています。

  • 2・3年生の進級時(4月)に施設費として50,000円
  • 3年生は卒業準備金として月額4,000円程度
  • 修学旅行積立金(1・2年生対象、コース・行き先により金額が変動)
  • 入学時のChromebook代・制服代、学年教材費(年2回納入)
  • 卒業時の同窓会入会金(終身会費)10,000円程度

上記の年間45万7,200円の就学支援金を活用すれば、授業料34.8万円程度の部分は実質的にカバーされる計算になりますが、入学金や施設費、制服・教材費などは就学支援金の対象外のため、私立の場合は依然として一定の自己負担が発生します。また学校独自に、学業成績上位者や運動部での活躍を対象とした奨学金制度(学校公式の募集要項で確認できます)も用意されています。支給額や適用条件は制度改正・年度改定により変わる可能性があるため、必ず文部科学省や学校公式サイトの最新情報で確認してください。

よくある質問

Q. 牛久高校と東洋大牛久、偏差値が近いのですがどちらが「上」ですか?

偏差値はあくまで模試を実施する会社の指標であり、算出方法が異なるため単純比較には向きません。先ほどの比較表の通り、牛久高校だけでも情報源によって45〜56まで幅があり、東洋大牛久もコースにより56〜61とされています。コース選択や入試方式によって実際の合格難易度も変わるため、志望校を決める際は、偏差値だけでなく学校の教育方針や部活動、通学のしやすさなど複数の観点から検討することをおすすめします。

Q. 牛久高校は単位制ですか?

いいえ、牛久高校は学年制の普通科です。単位制と間違えられやすいのですが、単位制を導入しているのは同じ牛久市内にある別の高校「牛久栄進高校」で、1997〜1998年(平成9〜10年)に県内でいち早く単位制へ移行しました。学校名が似ているため混同されがちですが、進路選びの際は取り違えないよう注意してください。

Q. 東洋大牛久に進学すれば、必ず東洋大学に進学できますか?

いいえ、必ずしもそうではありません。附属推薦制度は3年間の学業成績・出席状況・人物評価などを総合的に判断する選考制度であり、推薦基準を満たせない場合は指定校推薦や一般受験など別の進路を選ぶことになります。附属推薦での進学者は例年一定数いますが、進学先は東洋大学に限定されない点も押さえておきたいポイントです。

Q. 公立の牛久高校と私立の東洋大牛久、併願はできますか?

はい、多くの受験生が実際にこの組み合わせで受験しています。茨城県の公立高校入試は原則1校しか出願できませんが、私立高校は複数校を受験できるため、牛久高校を第一志望としつつ、東洋大牛久を併願(一般入試や併願推薦)で受ける、という組み合わせは一般的なパターンです。

Q. 通学の便はどちらが良いですか?

牛久高校はひたち野うしく駅から自転車で通学する生徒が多いほか、牛久駅からバスを利用する生徒もいます。東洋大牛久は牛久駅からのスクールバスが9ルート運行されており、龍ケ崎・守谷・つくば方面など広い範囲から通学しやすい体制が整っています。どちらも自宅からの通学時間を事前にシミュレーションしておくことをおすすめします。

タイプ別|どちらを選ぶべきか

最後に、私がこれまでの相談対応で感じてきた「向き・不向き」の傾向を整理します。

タイプ 向いている高校
学費を抑えつつ幅広い進路を検討したい 牛久高校
大学受験より先に「行き先の目処」を作りたい 東洋大牛久(進学コース)
英語・国際交流に力を入れたい 東洋大牛久(グローバルコース)
国公立・難関私立を本気で狙いたい 牛久高校 または 東洋大牛久(特別進学コース)
部活動と勉強を高いレベルで両立したい どちらも実績十分(種目により強豪部が異なる)

なお、茨城県の公立高校入試は原則として1校しか出願できない仕組みのため、牛久高校を第一志望とする受験生の多くが、東洋大牛久や常総学院、つくば秀英などを併願校として検討する、というのが実際の受験パターンです。県立高校全体の入試結果や合格ラインの最新動向については、令和7年度・茨城県立高校入試結果を徹底分析した記事でも詳しくまとめていますので、あわせて参考にしてください。

まとめ

牛久高校と東洋大牛久は、同じ牛久市内にありながら、公立と私立、単科の普通科と5コース制という、かなり性格の異なる高校です。

結論として、偏差値だけで比べるのではなく、**「大学付属という仕組みを使いたいか」「学費をどう考えるか」「伸ばしたい部活動があるか」**という軸で比較することが、後悔しない志望校選びにつながります。

学校説明会や部活動体験会に実際に足を運び、お子さんの目でキャンパスの雰囲気を確かめることも、ぜひおすすめしたいステップです。

ただし、どちらの高校を選ぶにしても、合否の土台になるのは中学校の基礎学力と内申点です。特に部活動と受験勉強の両立に悩む生徒にとっては、スキマ時間で効率よく学び直せる環境があるかどうかが、ラストスパートの伸びを左右します。中学校の学習内容を単元ごとに振り返りながら、自分のペースで弱点を補強したいというご家庭には、映像授業サービスの「スタサプ」を勉強習慣づくりの選択肢の一つとして検討してみるのもおすすめです。

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