結論から言うと、「大学附属の安定した進路」を求めるなら常磐大学高校、「特待生ランクを活かして国公立や難関私大を狙う」なら水戸啓明高校が、それぞれの強みを活かしやすい選択です。
私は茨城県内で20年以上、塾講師・家庭教師として中学生の受験指導に携わり、現在は高校進学アドバイザーとして水戸市内の私立高校の情報をお伝えしています。水戸市内にある私立2校、常磐大学高校と水戸啓明高校は、偕楽園駅周辺という近い立地にありながら、コース設計・学費のかけ方・進路の方向性がかなり異なります。併願校として2校を比べているご家庭からのご相談も毎年多いので、今回は学校公式サイトの情報や説明会で得た知見をもとに、偏差値・コース・部活動・学費・奨学金・進学実績・学校生活まで、できる限り深く掘り下げて整理していきます。
常磐大学高校は2コースにしぼって附属大学への内部進学に強みを持つ学校、水戸啓明高校はコースの幅が広く、上位コースでは国公立・難関私大を狙える学校です。学費・特待制度の設計も対照的で、常磐大学高校は特待区分がシンプルな2段階、水戸啓明高校は入試の得点に応じて細かくランク分けされる仕組みになっています。
両校とも入試の年度によってコース名や偏差値の目安、学費の金額が変わることがあります。この記事の数値は執筆時点で確認できた情報をもとにしていますが、出願前には必ずオープンスクールや個別相談で最新の募集要項をご確認ください。
1. 常磐大学高校と水戸啓明高校の基本情報比較
まずは基本データを一覧で見てみましょう。塾模試をもとにした偏差値はあくまで各情報サイトが独自に算出した目安であり、学校が公式に発表している数値ではない点にご留意ください。
| 項目 | 常磐大学高校 | 水戸啓明高校 |
|---|---|---|
| 所在地 | 水戸市新荘三丁目 | 水戸市千波町 |
| 最寄駅 | 偕楽園駅(徒歩約16分) | 偕楽園駅(徒歩約14分) |
| 創立 | 1922年 (水戸常磐女学校として開校) |
1959年 (水戸第一商業高等学校として創立) |
| 共学化・改称 | 2000年 (常磐大学高校に改称) |
2012年 (水戸啓明高校に改称) |
| 生徒数 | — | 男子517名・女子177名 (2025年4月現在) |
| 設置学科 | 普通科(2コース制) | 普通科・商業科(4コース制) |
| コース | 特進選抜コース 特進コース |
特進Gコース 特進フロンティアコース 特進文理コース 商業科人間経済コース |
| 偏差値の目安 (学習塾系情報サイト基準) |
52〜60 | 41〜57 |
| 附属大学 | 常磐大学・常磐短期大学 | なし (附属関係にあった水戸短期大学は2012年閉校) |
| 給食 | — | あり(月額目安9,000円程度) |
2. 常磐大学高校の特色とコース、偏差値の目安
常磐大学高校は1922年の水戸常磐女学校開校を起点とし、常磐高等女学校・常磐女子高等学校という名称の時代を経て、2000年に男女共学化して常磐大学高校に改称しました。2016年に特進選抜コースを新設し、2020年には進学コースを廃止して「特進選抜コース」「特進コース」の2コース制に整理された、という沿革があります。かつては「特進選抜」「特進」「進学」「常磐大」という4コース体制を紹介しているサイトも見受けられますが、これは以前の体制の情報です。
なお、学校情報サイトの記載によると、常磐大学高校は2026年度から教育内容の大幅なリニューアルを行っているとの情報があります。詳細な変更内容までは確認できていませんが、学びのスタイルや指導体制に変更が生じている可能性があるため、志望される場合は必ず直近のオープンスクールや個別相談で最新のコース内容を確認するようにしてください。
- 特進選抜コース:より高度な課題解決能力を養い、海外も視野に入れた課題研究に取り組むコース。学業特待生・体育特待生もこのコースに所属します。偏差値の目安は57前後とされています。
- 特進コース:諸問題への課題解決の手法を基礎から学ぶコース。偏差値の目安は52〜54程度とされています。
これらの数値は複数の学習塾系の高校情報サイトが独自に算出した目安であり、学校側が公式に発表している数値ではありません。志望校を検討する際は、あくまで併願校選びの参考値としてご覧ください。
常磐大学高校の大きな特徴は、常磐大学・常磐短期大学との高大連携です。大学の講義を体験できるプログラムや優先入学制度が用意されており、附属大学への進学を前提に据えた学習環境が整っています。国際教育にも力を入れており、語学留学プログラムや留学生の受け入れ、英会話レッスンなどを実施しています。
3. 水戸啓明高校の特色とコース、偏差値の目安
水戸啓明高校は1959年に水戸第一商業高等学校として創立し、その後水戸短期大学附属高等学校を経て、2012年に現在の校名に改称した歴史を持つ学校です。附属関係にあった水戸短期大学自体も、2012年に閉校しています。硬式野球部が春夏の甲子園に出場した実績を持つなど、部活動でも知られてきた学校ですが、近年は「特進」を軸にした進学校としての色を強めています。
コースは現在、次の4つに分かれています。
- 特進Gコース:最上位コース。国公立大学や難関私立大学への進学を目指す。偏差値の目安は57程度とされています。
- 特進フロンティアコース:特進Gに次ぐ進学コース。偏差値の目安は51程度とされています。
- 特進文理コース:中堅私立大学を中心とした進学コース。偏差値の目安は42程度とされています。
- 商業科人間経済コース:資格取得や実務系の学びを重視するコース。偏差値の目安は41程度とされています。
こちらも学習塾系の情報サイトが独自に算出した目安であり、公式発表値ではないことにご注意ください。なお、進研ゼミの合格可能性判定模試を基準にした偏差値では、同じ4コースがいずれも40〜49の範囲に収まっており、模試の母集団や難易度によって数値の出方が異なります。どちらか一方の数値だけで判断せず、実際にお子さんが受けている模試の結果と照らし合わせて考えることをおすすめします。
水戸啓明高校のもう一つの特徴は、私立高校としては珍しく給食を導入している点です。お弁当作りの負担を減らしたいご家庭にとっては、実務的なメリットになり得るポイントです。
4. 学費を徹底比較する
学費は志望校選びで避けて通れないテーマです。両校とも学校公式サイトや学校情報サイトで確認できた金額を整理しますが、常磐大学高校の金額は公式サイトに掲載されている「2024年度(予定)」時点の情報であり、水戸啓明高校の金額は学校情報サイトの調査時点の情報です。いずれも年度によって改定される可能性が高い項目のため、必ず最新の募集要項でご確認ください。
| 項目 | 常磐大学高校 (2024年度予定) |
水戸啓明高校 (調査時点) |
|---|---|---|
| 入学金 | 180,000円 | 170,000円 |
| 施設費等 | 150,000円 | 120,000円 |
| 入学手続時納付金 合計 | 330,000円 | 293,000円 (教育後援会入会金3,000円含む) |
| 月額授業料 | 35,000円 | 24,000円 |
| 月額施設費等 | 250円(図書費) +2,400円(その他) |
15,000円(施設充実費) +2,500円(教育後援会費) +5,000円(その他) |
| 月額納付金 合計 | 37,650円 | 46,500円 |
| 給食費 | — | 月額目安9,000円 |
| 年間諸経費(コース関連) | 192,687円(2023年度実績) (特進選抜は研修費用別途) |
— |
表を見ると、入学時にまとまってかかる費用は常磐大学高校の方がやや高めですが、月々の納付額は水戸啓明高校の方が高い傾向にあります。これは水戸啓明高校の月額に給食費相当の設備・運営コストが含まれている可能性があるためで、単純な総額比較には向きません。3年間トータルでどちらが安いかは、就学支援金の適用状況や特待区分によっても大きく変わるため、必ず両校の募集要項を並べて、ご家庭の所得区分に当てはめてシミュレーションすることをおすすめします。
なお、国の就学支援金制度により、世帯年収の目安が590万円未満の場合は月額授業料の一部が実質免除され、910万円未満の場合も一定額が年額で支給されます。この制度は両校とも対象となっているため、実際の負担額は表の金額よりも軽くなるケースが多い点も押さえておいてください。また、常磐大学高校では2025年度から、世帯年収910万円程度以上のご家庭を対象とした「臨時支援金制度」も新たに設けられているとのことですので、詳しくは学校にお問い合わせください。
5. 特待生と奨学金の制度を徹底比較する
学費と並んで重要なのが、特待生・奨学金のランク設計です。ここは2校でかなり仕組みが異なります。
常磐大学高校の特待制度
常磐大学高校の特待生制度は、学業特待生・学業準特待生と、体育特待生・体育準特待生の2系統に分かれています。
- 学業特待生・学業準特待生:学業・人物ともに優れた生徒が対象。採用されると入学後は特進選抜コースに所属します。学業特待生は奨学金A、学業準特待生は奨学金Bの給付を受けられます。
- 体育特待生・体育準特待生:運動能力・人物ともに優れた生徒が対象。硬式野球、バスケットボール(男女)、サッカー(男女)、体操(男子)、ソフトボール(女子)、水泳(男女)、ソフトテニス(男女)などの実績が評価対象になります(2022年度実績時点の対象種目)。
奨学金の中身は次のとおりです。
- 奨学金A:入学時納付金(入学金180,000円・施設拡充費150,000円)と、毎月の授業料35,000円から就学支援金を除いた額を給付
- 奨学金B:入学時納付金のうち施設拡充費150,000円と、毎月の授業料から就学支援金を除いた額より10,000円を限度に給付
このほか、入学後に家計が急変した生徒向けの「諸澤幸雄奨学金」があり、授業料から就学支援金を差し引いた差額を上限21万円まで、年間3名の枠で給付する制度があります。また、卒業生や在校生の弟・妹が入学する場合、入学後に10万円が給付される制度もあります(推薦入試合格者・一般入試早期手続者が対象で、各種特待区分での合格者は対象外です)。
水戸啓明高校の特待制度
水戸啓明高校の特待制度は「学業奨学生」という名称で、入試の得点に応じてGG・GⅠ・GⅡといった複数のランクに分かれているのが特徴です。
- 学業奨学生GG:最上位ランク。推薦・一般単願・単願切り替えで入学する場合、特典が3年間保証されます。
- 学業奨学生GⅠ・GⅡ:ランクが下がるにつれて給付内容も段階的に縮小します。GG以外のランクは、進級時の成績次第で翌年度の特典が見直される可能性があるため、入学後も学習を継続する前提で検討することが大切です。
- 卒業生の子女・在校生の兄弟姉妹が単願で出願する場合、入学金が10万円免除される制度もあります。
- 県立高校が不合格だった場合に本校への入学を約束する「単願」「準単願」の受験生は、単願者と同じボーダーラインで特待判定を受けられる仕組みになっており、これは併願がメインの常磐大学高校とは異なる特徴的な制度です。
常磐大学高校の特待生は学業・体育の2系統かつ2段階とシンプルで、採用されると特進選抜コースに一本化されます。水戸啓明高校の学業奨学生はGG・GⅠ・GⅡの細かいランク制で、入試の得点によって受けられる特典が変わり、GG以外は進級時に見直される可能性がある点に注意が必要です。特待生としての入学を検討する場合は、「初年度の特典」だけでなく「3年間続けられる条件」まで確認しておくと安心です。
6. 入試方式の違い(単願と併願、スライド判定について)
私立高校の入試は、公立高校とは異なり「単願」「併願」という出願方式の違いが合否ラインに直結します。
常磐大学高校・水戸啓明高校とも、推薦入試(単願)と一般入試(併願可)の2本立てで、一般入試ではさらに複数の特待区分ごとに合格ラインが設定される、という基本構造は共通しています。学習塾系の情報サイトが示す合格ラインの目安を見ると、両校とも最上位区分では偏差値57前後がひとつの目安として紹介されています。
一方で、水戸啓明高校は「県立高校が不合格だった場合に入学を約束する」準単願の受験生を、単願者と同じボーダーラインで判定する制度を設けている点が特徴的です。これは、第一志望が県立高校で、私立を実質的な滑り止めとして押さえておきたいご家庭にとって、有利に働く可能性がある仕組みです。ただし適用条件は年度ごとに細部が変わることがあるため、必ず最新の募集要項で確認してください。
常磐大学高校についても併願・単願で合格ラインや特待判定の扱いが変わる可能性は十分にありますので、この点は学校説明会や個別相談で直接確認することをおすすめします。私の経験上、私立高校の単願優遇の運用は公開資料だけでは読み取れない部分が多く、実際に窓口で質問した方が確実です。
7. 部活動を比較する
私立高校選びでは、勉強面だけでなく部活動の充実度も重要な判断材料になります。
常磐大学高校は30以上の部活動があり、水泳部がインターハイに複数回出場しているほか、体操部・新体操部もインターハイでの個人入賞や全国選抜大会での入賞実績を持っています。写真部も写真展での入賞歴があり、文化系・運動系ともにバランスよく活動しています。体育特待生の対象種目には硬式野球、バスケットボール、サッカー、体操、ソフトボール、水泳、ソフトテニスが含まれており、これらの部活動には学校としても力を入れていることがうかがえます。
水戸啓明高校は硬式野球部が春夏の甲子園に出場した歴史を持つほか、サッカー部やアイスホッケー部なども大会での上位進出を目指して活動しています。体育祭は実施せず、学年ごとの球技大会(バスケットボール・バレーボール・卓球・ドッジボール・綱引きなど)を行うのも特徴的な学校行事です。サッカー部には、水戸ホーリーホックの育成寮「若龍寮」に所属する選手が在籍していることでも知られ、地域のJクラブとの結びつきが強い点も特色です。
どちらの学校も部活動と学業の両立を掲げていますが、入りたい部活動がすでに決まっているお子さんの場合は、その部の活動実績や大会結果を、必ず各校の公式サイトや説明会で直接確認することをおすすめします。
8. 学校生活と施設の違い
日々の学校生活に関わる細かな違いも、実際に通う上では意外と重要です。
- 給食の有無:水戸啓明高校は給食を導入しており、月額目安9,000円程度で昼食の準備を学校に任せられます。常磐大学高校はお弁当持参または購買・食堂の利用が中心となります。
- ICT環境:両校ともICT機器を活用した授業を取り入れていますが、1人1台端末の導入状況など具体的な内容までは公開情報だけでは確認しきれませんでした。学校見学時に実際の授業風景を見せてもらうのが一番確実です。
- 制服:常磐大学高校は制服の着こなしを重視する校風で知られ、京成百貨店での独占販売という伝統があります。男女ともに人気の高い制服で、入学後の身だしなみ指導にも定評があります。水戸啓明高校は近年制服を一新し、グレーを基調としたブレザースタイルに、襟元の黒いパイピングやオリジナルボタンを配した上品なデザインが特徴です。女子はリボンとネクタイを選べるほか、スカートのプリーツ内側にパープルのラインが入るなど、細部までこだわった仕立てになっています。実際の質感やシルエットは、オープンスクールで試着してみるのが一番です。
- 通学アクセス:両校とも偕楽園駅からのアクセスが利用でき、水戸啓明高校はJR水戸駅北口からのバス便も案内されています。自宅からの通学時間は、実際にオープンスクールに行く際の経路で確認しておくと安心です。
9. 進学実績を比較する
進路実績は、志望コースごとの傾向を踏まえて見る必要があります。また、常磐大学高校と水戸啓明高校とでは、実績の「出し方」自体にも違いがあるので、まずその背景を押さえておきましょう。
常磐大学高校は常磐大学・常磐短期大学という附属大学を持つため、卒業後の進路が「内部進学」「国公立・他大学」「専門学校」という大枠の割合で語られる傾向があります。常磐大学・常磐短期大学への進学が全体のおよそ4割を占め、国公立大学および他の私立大学への進学が約5割、看護・医療系の専門学校への進学が1割程度という比率が学校情報サイトで紹介されています。附属大学への内部進学を軸にしつつ、特進選抜コースを中心に外部の大学進学も選択肢に入れられる構成といえます。
一方、水戸啓明高校には附属大学という内部進学の枠組みがないため、卒業生の多くが外部の4年制大学への進学を目指す、いわば「外部受験型」の進路構成になります。そのため学校側が公表する実績も、割合ではなく「どの大学に何名合格したか」という実数ベースの合格速報が中心です。2024年度の実績としては、茨城大学に7名、東京学芸大学・福島大学・静岡大学・北見工業大学・釧路公立大学・長野大学にそれぞれ1名の合格者を出しています。私立大学では、青山学院大学・法政大学・立教大学といったGMARCHクラスや、東京女子大学・津田塾大学などへの合格実績も学校の合格速報で公表されています。特進Gコースを中心に、国公立・難関私大を目指す指導体制が整っている様子がうかがえます。
いずれの学校も、進学実績はコースやクラスによって大きく異なります。「学校全体の実績」ではなく「志望するコースの実績」で比較する視点を持つことが、併願校選びで失敗しないコツです。
10. 現場で見えてきた「メリットの裏側」
ここまでは公開情報をもとにした比較でしたが、20年以上この地域で受験生を見てきた立場として、両校を検討する際に知っておいていただきたい注意点も率直にお伝えします。
常磐大学高校は「附属大学に上がれる安心感」が最大の魅力ですが、附属校であっても、希望する学部・学科に無条件で進めるわけではないのが一般的です。多くの大学附属高校では、内部進学に一定の成績基準や推薦枠が設けられており、常磐大学高校も例外ではないと考えるのが自然です。「附属だから安心」という前提だけで併願先を決めず、内部進学の基準や、外部受験に切り替えた場合の実績についても、説明会で具体的に質問しておくことをおすすめします。
水戸啓明高校は特待生ランクが細かく分かれている分、「入学時は上位ランクだったのに、成績や出席状況によって翌年度の特典が下がる」というプレッシャーと隣り合わせになりやすい制度設計です。特に部活動に力を入れたいお子さんの場合、勉強との両立が崩れると特待ランクの維持が難しくなるケースが出てきます。特待生としての合格を検討する際は、「入学後にどのくらいの成績を維持すればランクが保たれるのか」を、遠慮せず具体的な数字で確認しておくことを強くおすすめします。
こうした「メリットの裏側」は、学校案内やパンフレットには詳しく書かれていないことが多い部分です。オープンスクールや個別相談の場で、遠慮せず具体的に質問する姿勢が、入学後のミスマッチを防ぐ一番の近道だと私は考えています。
11. 併願戦略から考える、どちらを選ぶべきか
ここまでの内容を踏まえると、次のような判断軸が見えてきます。
- 常磐大学への進学や、大学附属校ならではの安定したエスカレーター進学を重視するなら常磐大学高校
- コースの選択肢を広く持ちつつ、国公立・難関私大を目指した学習環境を求めるなら水戸啓明高校の特進系コース
- 資格取得や実務的な学びに関心があるなら水戸啓明高校の商業科
- 県立高校を第一志望としつつ、私立の押さえを有利な条件で確保したいなら、準単願制度のある水戸啓明高校
また、この2校を私立の併願先として検討している場合、県立高校の合格ラインとあわせて確認しておくと、当日の得点戦略が立てやすくなります。以前まとめた茨城県立高校の合格点・偏差値を学区別に整理した記事もあわせてご覧いただくと、県立第一志望・私立併願のバランスを取りやすくなるはずです。
私立高校の特進系コースは、公立中学の授業進度とは比べものにならないスピードで学習が進みます。特に水戸啓明高校の特進Gコースや常磐大学高校の特進選抜コースは、入学直後から大学受験を見据えたカリキュラムが組まれているため、入学時点で基礎が固まっていないと、早い段階でつまずいてしまう生徒を私自身、これまで何人も見てきました。
中学のうちから通塾に加えて、英語・数学の基礎だけでもスキマ時間に繰り返し復習しておくと、入学後の立ち上がりが大きく変わります。そうした先取り・復習用の教材として、スタサプのように自分のペースで基礎から見直せる映像教材を、通塾と組み合わせて活用しているご家庭も増えている印象があります。受験学年に入る前の今のうちから、無理のない範囲で学習習慣を整えておくとよいでしょう。
12. よくある質問
Q. 常磐大学高校と水戸啓明高校、偏差値が高いのはどちらですか?
学習塾系の情報サイトが示す目安で見ると、最上位コース同士では常磐大学高校の特進選抜コース(57前後)と水戸啓明高校の特進Gコース(57程度)が近い水準にあります。一方、下位のコースは水戸啓明高校の方が幅広く設定されています。常磐大学高校は特進選抜・特進の2コースにしぼられているため、コース間の差が水戸啓明高校ほど大きくありません。どちらが「高い」かは志望コース次第、というのが実情です。
Q. どちらも大学附属ですか?
常磐大学高校は常磐大学・常磐短期大学の附属校です。水戸啓明高校は、かつて附属関係にあった水戸短期大学が2012年に閉校しているため、現在は附属大学を持たない私立高校です。
Q. 特待生になれば学費は無料になりますか?
いいえ、区分によって免除される費用の範囲が異なります。常磐大学高校の奨学金Aでも「就学支援金を除いた額」が給付対象であり、水戸啓明高校の学業奨学生も区分によって免除範囲が段階的に変わります。「特待=全額無料」ではない点に注意し、募集要項の給付内容を必ず確認してください。
Q. 併願する場合、どちらが有利ですか?
県立高校を第一志望として押さえを確保したい場合は、単願者と同じボーダーラインで判定を受けられる水戸啓明高校の準単願制度が有利に働く可能性があります。一方、常磐大学への進学も視野に入れているなら、常磐大学高校を併願候補に入れる価値があります。ご家庭の第一志望と将来の進路希望に応じて判断してください。
まとめ
常磐大学高校と水戸啓明高校は、どちらも水戸市内にある共学の私立高校ですが、コース設計・学費の内訳・特待制度の仕組みまで、細部を見るとかなり性格が異なります。常磐大学高校は附属大学との連携を軸にした2コース制でシンプルな特待区分、水戸啓明高校は特進系から商業科まで幅広い4コース制で、入試得点に応じた細かいランク制の特待生制度を持っているのが特徴です。
附属大学への安定した進路を重視するなら常磐大学高校、コースの幅広さと国公立・難関私大への挑戦、そして県立併願のしやすさを重視するなら水戸啓明高校、という選び方が現実的です。ただし偏差値・コース名・学費・奨学金条件は年度ごとに変わり得るため、最終判断は必ず学校説明会と最新の公式募集要項で確認してください。
お子さんの学力タイプや部活動への熱意、ご家庭の教育方針・経済的な条件によって、最適な選択は変わってきます。迷ったときは、両校のオープンスクールに実際に足を運び、在校生や先生の雰囲気、給食やICT環境といった日々の学校生活の細部まで肌で感じてから決めることをおすすめします。






