「内申点が思ったより伸びなかった…もう志望校は無理かもしれない」
塾講師・家庭教師として茨城県内で20年以上、中学生の進路指導に携わり、現在は県内で高校進学アドバイザーをしている筆者のもとには、毎年この時期になると同じような相談が寄せられます。
しかし、結論から言えば、茨城県の公立高校入試は「内申点だけがすべて」ではありません。
茨城県の「A群・B群選抜」という仕組みを正しく理解すれば、内申点に不安がある受験生にも、当日の得点力次第で十分に合格を狙える道が用意されています。
本記事では、この「B群選抜」の仕組みを、指導現場で見てきた傾向を交えながら深掘りし、内申点が低めの受験生が合格を勝ち取るための具体的な戦略を解説します。
茨城県公立高校入試は「2段階選抜」で決まる
茨城県の公立高校入試(共通選抜)では、単純に「学力検査の得点+内申点」の合計が高い順に合格が決まるわけではありません。
「A群」「B群」という2つのステップを経て、合格者が決定します。
- A群:学力検査の順位と調査書(内申点)の順位が、どちらも一定の基準を満たしている人から優先的に合格
- B群:A群で合格に届かなかった人を対象に、各高校が定めた基準で選抜
茨城県教育委員会の実施要項によれば、学力検査(5教科500点満点)の得点合計の順位が、募集定員から特例入学者選抜枠及び特色選抜枠の合格者数を引いた数の80%以内に入り、なおかつ調査書の評定合計(内申点)の順位も、その数以内に入っている受験生は、A群として原則合格になります。
ただし、調査書の記載事項や学力検査の結果に特に問題があると判断された場合は、この基準を満たしていても合格が保留され、B群に加えられることも実施要項に明記されています。
つまりA群は、「学力検査も内申点も、どちらも上位に入っている」というバランス型の受験生が対象です。
B群選抜とは?比率や基準からわかる、内申点が低くても逆転できる仕組み
A群だけで定員が埋まらなかった残りの枠に対して行われるのが、B群選抜です。
ここが、内申点に不安を抱える受験生にとって重要なポイントになります。
B群では、残りの合格者を次の2つの方法に分けて選抜します。
- 学力検査重視:入試当日の得点を優先して合否を判定
- 調査書重視:内申点や活動記録などを優先して合否を判定
この2つの方法で合格させる人数の比率は、20:80・30:70・40:60・50:50・60:40・70:30・80:20という7段階の中から、各高校が選択することが、茨城県教育委員会の実施要項に明記されています。
自由な割合を設定できるわけではなく、あくまでこの7段階のいずれかを高校ごとに選ぶ仕組みである点には注意してください。
実際、茨城県内の多くの高校が、学力検査重視の選抜で合格する人数の比率を高めに設定する傾向があることが、入試情報サイトでも紹介されています。
そのため、内申点にやや不安があっても、当日の得点力さえ高ければ十分に合格を狙える高校が少なくないということになります。
ただし、7段階のうちどれを選ぶかは高校ごと・年度ごとに見直される可能性があるため、具体的な数値は必ず志望校が公表する最新の入学者選抜方法で確認してください。
なお、内申点は中学1年から3年までの9教科・5段階評価を、各学年45点満点として合計した「135点満点」で構成され、学力検査は5教科合計「500点満点」です。
ただし、A群・B群いずれの選抜も、内申点と学力検査の得点をそのまま合算して比較するのではなく、それぞれの「順位」をもとに判定される点には注意が必要です。
なぜB群選抜が「逆転合格のチャンス」なのか
指導現場で20年以上見てきた実感として、B群選抜の存在は、次の2つのタイプの受験生を救う仕組みだと感じています。
内申点は伸び悩んだが、実力はしっかりついている受験生
定期テストや提出物、授業態度などの積み重ねが内申点には反映されますが、実力とタイムラグが生じることは珍しくありません。
模試や実力テストでは高得点が取れているのに、内申点だけが追いついていないケースはよくあります。
本番に強く、入試当日に実力を発揮できるタイプの受験生
普段のコツコツ型の評価より、一発勝負に強みがある生徒も一定数存在します。
B群の学力検査重視枠は、こうした生徒にとって大きなチャンスです。
実際、指導してきた生徒の中には、内申点の合計があと一歩伸びず、志望校のランクを下げようか悩んでいたところ、学力検査重視の比率が高い高校に照準を切り替え、直前期に過去問演習と弱点補強に集中して取り組んだ結果、逆転合格を果たした生徒が何人もいます。
共通していたのは、「内申点で戦うのか、学力検査で戦うのか」を早い段階で決め、迷わず対策を絞り込んでいたことです。
一方で、B群には調査書重視の枠も存在するため、「内申点が高いのに当日は緊張で実力を出し切れなかった」という受験生を救う役割も果たしています。
つまりB群選抜は、片方の指標だけで評価が固定されないための、いわば”セーフティネット”として機能しているのです。
内申点が低めの受験生がB群で合格を掴む3つの戦略
① 志望校のB群比率を事前にリサーチする
同じ茨城県内でも、B群における学力検査重視の比率は高校によって大きく異なります。
志望校が学力検査重視の比率を高く設定している場合、内申点に多少の不安があっても、当日の得点力を伸ばすことで十分に逆転を狙えます。
注意したいのは、B群には「学力検査重視」だけでなく「調査書重視」の枠もある点です。
たとえば学力検査重視20%・調査書重視80%のような比率が設定されている高校を、内申点に不安がある状態で志望してしまうと、当日どれだけ得点しても不利な立場のまま受験を終えることになりかねません。
だからこそ、志望校のB群比率を事前にリサーチすることが、内申点が低めの受験生にとって何より重要な戦略になるのです。
茨城県教育委員会や志望校が公表している入学者選抜方法を、出願前に必ず確認しましょう。
茨城県の主要校に関する内申点・当日点の具体的な目安は、茨城県公立高校の合格点・内申点の目安一覧で詳しく解説しています。あわせて志望校選びの参考にしてください。
② 「学力検査での得点力」を最大限まで引き上げる
B群での逆転を狙うなら、当日の得点力こそが最大の武器になります。
茨城県の入試問題は、英語の長文読解や数学の図形の証明問題のように、対策のパターンをつかめば得点が安定しやすい分野が含まれる一方で、年度によって出題の難易度や形式が変化することもあると言われています。
だからこそ過去問演習だけに頼らず、単元ごとの基礎固めと応用力の両方をバランスよく鍛えることが、これらの得点源を確実に取りきるカギになります。
塾や家庭教師での対面指導に加えて、こうした頻出分野を自分のペースで繰り返し復習できる映像授業を組み合わせる受験生も増えています。
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内申対策で忙しい平日の合間や、移動時間などのスキマ時間を活用できる点も、部活動と受験勉強を両立する中学生には心強いポイントです。
③ 学力検査の「足切り」に注意する
先ほど触れたとおり、茨城県教育委員会の実施要項には、調査書の記載事項や学力検査の結果に特に問題があると判断された場合、順位のうえではA群の基準を満たしていても、合格が保留されてB群に加えられることが明記されています。
つまり「内申点さえ良ければ安心」というわけではなく、学力検査であまりに低い結果を残してしまうと、内申点の高さだけでは補いきれない可能性があるということです。
B群の学力検査重視枠も、その中でのランキングによって合否が決まる仕組みである以上、極端に得点が低ければ、この枠での逆転も難しくなります。
B群はあくまで学力検査と調査書の両方を土台とした選抜であることを忘れず、最後まで得点力の向上を諦めないことが大切です。
出願前に確認しておきたいこと
B群選抜の比率や運用は、高校ごと・年度ごとに変わる可能性があります。
入試全体の日程や出願方法についても、年度によって細かな変更が入ることがあるため、最新の情報は必ず一次情報で確認しておきましょう。
具体的な選抜方法や実施細則は、茨城県教育委員会の高校入試ページで公表されています。
まとめ:内申点だけで諦めるのはまだ早い
茨城県の公立高校入試には、内申点が思うように伸びなかった受験生にも、当日の得点力で逆転できる「B群選抜」という仕組みがあります。
20年以上、茨城県内で数多くの受験生を見てきた経験から言えるのは、内申点への不安から早い段階で志望校を諦めてしまう受験生が非常に多いということです。
しかし、B群選抜の仕組みを正しく理解し、志望校のB群比率をリサーチしたうえで学力検査の得点力を伸ばしていけば、逆転合格は十分に狙えます。
残された時間で何をすべきか、今一度戦略を立て直してみてください。






