【茨城県立高校】令和9年度新設「第2希望校」制度を徹底解説

「県立高校の入試制度が変わるらしいけれど、何がどう変わるのかよくわからない」

私は茨城県内で塾講師・家庭教師として20年以上、数多くの受検生とご家庭に伴走してきましたが、令和9年度(2027年)入試を控えたこの時期、保護者の方からいただくご相談で急増しているのが、まさにこの「第2希望校」制度についてです。

結論からお伝えすると、令和9年度(2027年)の茨城県立高校入試から導入されるこの「第2希望校」制度は、「第1希望校が不合格でも、好きな学校に出願し直せる」といった単純な話ではありません。対象校や回数、判定方法に細かいルールが定められています。

この記事では、茨城県教育委員会の公表内容をもとに、以下の内容を順番に整理します。

  • 「第2希望校」制度の仕組みと導入の背景
  • 出願から合格発表までの具体的な流れ
  • 保護者・受検生がつまずきやすいポイント(Q&A形式)
  • 従来からある「第2志望」との明確な違い

「第2希望校」制度とは?令和9年度入試で何が変わるのか

「第2希望校」制度は、正式には「欠員が生じた学校を対象とした第2希望校の出願制度」といい、令和9年度(2027年)2月に実施される茨城県立高等学校入学者選抜から導入される新制度です。

これまで茨城県立高校の入試では、受検生は1校1課程1学科を選んで出願するのが原則でした(同一校内の学科間併願を除く)。第1希望校が不合格だった場合は、合格発表後に改めて「第2次募集」に出願し、再度手続きを行う必要がありました。

新制度では、志願先変更後の出願状況が確定した時点で欠員が生じている学校を対象に、あらかじめ「第2希望校」として出願しておくことができるようになります。第1希望校が不合格だった場合でも、改めて受検をし直すことなく、あらかじめ出願しておいた第2希望校で合否判定を受けられる仕組みが整います。

なぜ導入されるのか?現行制度が抱えていた3つの課題

茨城県教育委員会は、この制度導入の背景として、現行の第2次募集の仕組みが抱えていた次のような課題を挙げています。

  1. 第1希望校で不合格となった場合、第2次募集へ改めて出願・受検する必要があり、受検生の負担が大きい。
  2. 第2次募集は第1希望校の合格発表後に実施される日程のため、受検生の進路が確定するまでに時間がかかってしまう。
  3. こうした仕組み全体が、受検者や保護者の不安につながっていた。

これらの課題を解消するため、第1希望校で不合格となった場合に備え、あらかじめ第2希望校を出願できる仕組みを整えることになった、というのが導入の考え方です。

新制度「第2希望校」の骨組みを3つの要点で押さえる

細かい注意点は後述のQ&Aで整理するとして、まずは制度の土台となる3つの要点を押さえておきましょう。

  1. 対象校は「欠員が生じた学校」限定:どの高校にも自由に出願できるわけではありません。志願先変更の手続きが締め切られ、出願状況が確定した時点で欠員が生じている学校だけが、第2希望校として出願できる対象になります。
  2. 選べるのは1校のみ:第1希望校に加えて出願できる第2希望校は、1校に限られます。複数校を第2希望校として併願することはできません。
  3. 追加の受検は不要:第2希望校での合否判定は、第1希望校の受検で得た学力検査等の結果をもとに行われます。第2希望校のために別日程で試験を受け直す必要はありません。

出願から合格発表までの流れ

実際の手続きの流れは、次のようなステップで進みます。

  1. 第1希望校へ出願する
  2. 志願先変更の手続きを経て、欠員が生じた学校が公表される
  3. 公表された欠員校の中から、第2希望校を1校選んで出願する
  4. 学力検査等を受検する(第1希望校の受検のみで完結する)
  5. 第1希望校として出願した受検生のみで、第1希望校の合否判定が行われる
  6. 第1希望校で不合格となった受検生のうち、第2希望校を出願していた人の情報が、第2希望校へ送信される
  7. 第2希望校が、既存の検査結果をもとに合否判定を行う
  8. 第1希望校・第2希望校の合格発表が同日(3月11日予定)に行われる
  9. 合格発表後になお欠員がある場合は、欠員補充で対応される

この流れからわかる通り、第2希望校への出願は「保険をかけておく」感覚に近いものです。

保護者・受検生からよくある質問(茨城県立高校入試版)

茨城県教育委員会自身が、この制度について「誤解しやすいポイント」を具体的に公表しています。いずれも、これまで多くのご家庭からのご相談で実際に耳にしてきた誤解と重なるため、Q&A形式で正確に確認しておきましょう。

Q. 第2希望校には、どの学校にも出願できますか?

A. いいえ。出願状況が確定した時点で欠員が生じている学校のみが対象です。

Q. 第2希望校は何校でも出願できますか?

A. いいえ。第1希望校のほかに選べる第2希望校は1校のみです。

Q. 第2希望校はいつ出願するのですか?第1希望校の合否がわかってからですか?

A. 合否がわかる前です。志願先変更後、出願状況が確定したタイミングで出願します。

Q. 第2希望校に出願すると、第1希望校の選考で不利になりませんか?

A. なりません。第1希望校の合否は、第1希望校として出願した受検生だけで判定されます。

Q. 第2希望校では、改めて学力検査を受けるのですか?

A. いいえ。第1希望校の検査結果等をもとに選考されるため、受け直しはありません。

Q. 第2希望校に出願した人も、第1希望校出願者と同じ枠で判定されるのですか?

A. されません。第1希望校の合否は、あくまで第1希望校として出願した人だけの枠で判定されます。

Q. これは国で議論されている「デジタル併願制」と同じ制度ですか?

A. 異なります。国で議論されている制度とは別に、欠員が生じた学校を対象とした限定的な併願の仕組みとして位置づけられています。

Q. 第1希望校と第2希望校の合格発表日は別々になりますか?

A. いいえ。令和9年度入試では、両者とも3月11日に同日発表される予定です。

Q. 第2次募集が廃止されると、合格発表後に欠員が出ても対応できないのでは?

A. 対応できます。第2次募集は廃止されますが、県立高校への進学希望者の受検機会を確保するため、欠員補充によって対応されます。

「第2希望校」と「第2志望」は別物 — 混同に要注意

もう一つ、非常に間違えやすいのが「第2希望校」と、これまでも茨城県立高校入試に存在してきた「第2志望」との違いです。

「第2志望」は、同一の高校内で複数の学科がある場合に、学科間で第1志望・第2志望の順位をつけて併願できる、従来からの仕組みです(例:ある高校の機械科を第1志望、同じ高校の電気科を第2志望とするようなケース)。この仕組みは、今回の制度導入後も従来どおり継続されます。

一方、今回新設される「第2希望校」は、同一校内の学科間ではなく、異なる学校を対象に、欠員状況に応じて事前出願する、まったく別の仕組みです。名称が似ているため、県教育委員会自身がこの点を「誤解しやすいポイント」として明示しているほどですので、志望校選びの際にはくれぐれも混同しないよう注意してください。

📌 あわせて読みたい

令和9年度(2027年)茨城県立高校入試の日程を、出願期間から合格発表まで詳しく整理した記事はこちら

令和9年度入試のスケジュールとの関係

この「第2希望校」制度は、令和9年度入試の出願・志願先変更・学力検査・合格発表という一連の日程の中に組み込まれる形で運用されます。特に「志願先変更後の欠員公表」から「第2希望校の出願」までの期間は、これまでの入試日程にはなかった新しい手続きが加わることになるため、家族で日程を確認しておくことが例年以上に重要になります。全体の日程については、上記の関連記事で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。

「第2希望校」制度時代に、受検生が今からできる対策

ここまで見てきた通り、「第2希望校」制度はあくまで「欠員が生じた場合の救済措置」であり、出願できる学校も1校に限られます。つまり、この制度があるからといって志望校選びや学習の優先順位が変わるわけではなく、確実な合格を目指すなら、やはり第1希望校を正面から突破できる実力を身につけることが最優先です。

制度が変わっても、合格を左右する土台が学力検査の得点と内申点の積み重ねであることは変わりません。日々の授業内容の理解、定期テストでの得点の積み上げ、そして過去問演習を通じた学力検査対策の3つが引き続き基本になります。

特に、部活動が一段落するこの時期から本格的に学習量を巻き返そうとする受検生にとっては、限られた時間をどう使うかが鍵になります。私が指導の現場で保護者の方によくお伝えしているのは、机に向かう時間を無理に増やすより、移動時間や休憩の合間に使える教材を併用するほうが長続きしやすいということです。

その点で、スタサプのように1レッスンあたり数分程度で要点を確認できる映像授業は、忙しい受検生が学習習慣を立て直すきっかけとして取り入れやすい選択肢の一つと言えるでしょう。

まとめ:令和9年度(2027年)茨城県立高校入試に向けて

令和9年度から導入される「第2希望校」制度は、第1希望校が不合格だった場合に、欠員が生じた学校へあらかじめ出願しておける新しい仕組みです。対象校は欠員が生じた学校に限られること、選べるのは1校のみであること、そして第1希望校の判定には影響しないことなど、細かいルールを正確に理解しておく必要があります。

また、従来からある同一校内の「第2志望」とは別の制度である点も、混同しやすいポイントとして押さえておきましょう。制度は変わっても、第1希望校合格に向けた日々の学習の積み重ねが最も重要であることに変わりはありません。正確な情報をもとに、落ち着いて令和9年度入試に臨んでいただければと思います。