牛久栄進と藤代どっちが上?塾講師が偏差値と内申点で比較

結論から先にお伝えすると、偏差値という一つの物差しで見た場合、牛久栄進高校が藤代高校を上回っています。

これは複数の模試運営会社が公表しているデータでも、茨城県内の大手進学塾「茨進」が公表している合格ラインでも、共通して見られる傾向です。

ただし、大学受験まで見据えた進路戦略という観点では、必ずしも「偏差値が高い方が有利」とは言い切れません。

私は茨城県内で塾講師・家庭教師として20年以上にわたって指導を続け、現在は高校進学アドバイザーとして中学生の進路相談に携わっています。

この記事では、両校の公式サイトで公開されている最新の合格実績データをもとに、偏差値・内申点・大学合格実績・部活動や学校生活の特色・通学のしやすさを、できるだけ客観的な事実ベースで比較していきます。

牛久栄進高校と藤代高校、まずは基本データを比較する

はじめに、両校の基本情報を整理しておきましょう。

項目 牛久栄進高校 藤代高校
所在地 牛久市東猯穴町876 取手市毛有640
最寄り駅 ひたち野うしく駅 西取手駅
校訓 自主・剛健・協和 みずからの力を信じ 社会の中の人間として たゆまず真理を求めよう
スクールバス なし(駅からのアクセスが中心) あり(阿見・牛久・龍ヶ崎・利根コースなど複数コース)

住所やアクセス経路は、志望校選びの中で意外と見落とされがちですが、3年間毎日通う場所ですので、実際に通学時間を計算してから最終判断することを強くおすすめしています。

藤代高校はスクールバスを複数コース運行しているため、龍ケ崎市やつくばみらい市、守谷市方面から通学する生徒にとっては、電車通学よりも負担が少ないケースがあります。

偏差値と合格ラインから見る2校の違い

偏差値は模試を実施する会社によって数値が異なるため、あくまで目安として捉える必要がありますが、複数の模試運営会社のデータを見る限り、牛久栄進が63前後、藤代が60前後という水準で公表されており、牛久栄進のほうがやや上位に位置づけられる傾向が一貫しています。

また、茨城県内の大手進学塾「茨進」が公表しているオープン模試ベースの合格ライン(塾内偏差値)では、牛久栄進が80%合格率60・60%合格率56、藤代が80%合格率53・60%合格率49という数値が示されています。

この塾内偏差値は前述の模試会社の偏差値とは算出方法も母集団も異なるため、両者を単純に足し引きして比較することはできませんが、いずれの指標で見ても牛久栄進のほうが一段高いボーダーラインにあるという傾向は共通しています。

指導の現場で感じることとして、牛久栄進を第一志望にする生徒は、中学2年の後半から模試の解き直しや弱点分野の反復を早めに習慣化しているケースが多いという印象があります。

一方で藤代を第一志望にする生徒は、内申点と当日点のバランスを取りながら、部活動と両立させて着実に得点源を積み上げていくタイプが多いと感じています。

あくまで私自身の指導経験の中で感じる傾向であり、すべての生徒に当てはまるものではありませんが、志望校選びの一つの参考にしていただければと思います。

内申点の配点や当日点との比率、A群・B群の選抜方式によって、実際の合否ラインは年度ごとに変動しますので、県内公立高校全体の水準感をつかんでおきたい方は、こちらの記事もあわせて参考にしてください。

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牛久栄進高校と藤代高校、大学合格実績を徹底比較する

進路選びで最も気になるのが、大学合格実績ではないでしょうか。

両校の公式サイトが公表している最新の合格実績(現役・過年度卒を含む延べ人数)をもとに、特色を比較してみます。

牛久栄進高校の合格実績の特色

牛久栄進高校が公表している2026年度(令和8年度)入試の国公立大学合格状況を見ると、東北大学3名、北海道大学1名、九州大学1名という旧帝大クラスへの合格者を輩出しつつ、筑波大学8名、茨城大学39名(うち2名は過年度卒)、茨城県立医療大学10名と、地元国公立大学への合格者数が突出して多いことがわかります。

このほか、東京学芸大学、東京農工大学、埼玉大学、信州大学、横浜市立大学、東京都立大学など、関東圏の国公立大学にも幅広く合格者を出しており、国公立志向の強い進学校という色合いがはっきり表れています。

藤代高校の合格実績の特色

一方、藤代高校が公表している2026年度(令和8年度)入試の合格実績を見ると、国公立大学合格者数が合計36名(国立19名・公立17名)、私立大学合格者数が合計342名(延べ人数)となっています。

国公立大学の内訳では茨城大学8名、筑波大学2名、茨城県立医療大学5名などが挙がっており、私立大学では東洋大学21名、日本大学21名、麗澤大学26名、中央学院大学14名、流通経済大学12名など、県南エリアで人気の高い私立大学への合格者数が多いのが特徴です。

2校を比べてわかること

この2校の合格実績を並べてみると、牛久栄進は少人数でも国公立大学、それも旧帝大クラスまで届く生徒が一定数いる「国公立重視型」、藤代は国公立の土台を持ちつつ、私立大学への進学者数が多い「併願を含めた進路の幅広さ重視型」という、それぞれ異なる進路傾向が見えてきます。

偏差値だけを基準にするなら牛久栄進が上、と言い切れますが、「私立大学まで含めた進路の選択肢の広さ」という基準で見れば、藤代にも十分な強みがあるというのが実態です。

「とにかく国公立、できれば難関国公立を狙いたい」という生徒には牛久栄進、「国公立も視野に入れつつ、私立を含めて幅広い選択肢から進路を決めたい」という生徒には藤代が、それぞれ相性の良い環境だと言えるでしょう。

部活動や学校生活の特色を比べてみる

進学実績と同じくらい、3年間を過ごす学校生活の雰囲気も大切な判断材料です。

藤代高校は硬式野球部の実績が際立っており、2025年(令和7年)の全国高校野球選手権茨城大会では決勝まで進出して準優勝を果たしています。

陸上競技部や水泳部、弓道部なども関東大会や全国大会に出場するなど、文武両道を掲げる校風がうかがえます。

また、藤代高校はオーストラリアへの海外派遣研修や、留学生との交流プログラムといった国際教育にも力を入れており、1年次から「総合的な探究の時間」でグループ単位の探究活動に取り組む体制が整っています。

牛久栄進高校についても、部活動体験会やサッカー部の練習会など地域との交流行事が活発に行われており、探究活動として地域探訪を実施するなど、学びを地域社会に結びつける取り組みが特色です。

どちらの学校も、学力面だけでなく人間力を育てる教育活動に力を入れている点は共通しており、この部分は説明会や学校公開日に実際に足を運んで、生徒たちの雰囲気を肌で感じてから判断することを強くおすすめします。

併願校選びと今からできる対策のポイント

牛久栄進と藤代は偏差値が近接しているため、どちらか一方を第一志望にし、もう一方を実質的な併願先として意識する受験生も少なくありません。

なお、2027年度(令和9年度)入試からは、茨城県教育委員会が「欠員が生じた学校を対象とした第2希望校の出願制度」を導入します。これは、出願状況が確定した時点で欠員が生じている学校に限り、受検者が任意で第2希望校を1校だけ追加出願できる仕組みで、第1希望校が不合格だった場合に、同じ学力検査等の結果をもとに改めて受検し直すことなく合否判定を受けられます。

どの高校にも自由に第2希望を出せるわけではなく、対象はあくまで出願状況確定後に欠員が生じた学校に限られる点には注意が必要です。牛久栄進・藤代のように人気の高い学校では欠員が生じるケースは限定的と考えられますが、県立高校入試全体の制度変更として押さえておきたいポイントです。

内申点は9教科×3学年×5段階評価の135点満点で算出され、当日点500点と合わせて選抜が行われる仕組みは両校とも共通していますので、まずは中1・中2からの内申点の積み上げを意識することが、どちらの高校を目指す場合でも共通の土台になります。

牛久栄進も藤代も、内申点の確保が合否の土台になることは共通していますが、この水準を目指す中学生から実際に多く寄せられる悩みは、模試の点数そのものよりも「そもそも勉強のやる気が出ない」「正しい勉強法がわからず、学習習慣として定着しない」というものです。

模試対策に焦る前に、まずは目の前の定期テスト対策に絞って確実な得点源を作り、内申点を底上げすることを優先するのが、遠回りに見えて実は一番の近道です。

部活動で忙しく、まとまった学習時間が取れない場合は、1回5分程度の短い映像授業で定期テストの要点だけを効率よく吸収できるスタサプのようなツールを使い、まずは「毎日机に向かう」という学習習慣そのものを作ってしまうことをおすすめしています。

塾や家庭教師のように毎回まとまった時間を確保しなくても、5科目の基礎を反復できる点は、部活動と両立させながら内申点を積み上げていきたい中学生にとって、無理のない選択肢のひとつになるはずです。

牛久栄進と藤代、あなたに合うのはどちらか

偏差値という単一の指標で比較するなら、牛久栄進高校が藤代高校を上回っているというのが、複数のデータから見た客観的な結論です。

一方で、大学合格実績や部活動、学校生活の特色まで含めて見ると、両校にはそれぞれ異なる強みがあります。

  • 牛久栄進高校: 旧帝大クラスを含む難関国公立を本気で狙いたい生徒向けの、学力・国公立重視型
  • 藤代高校: 国公立の土台を保ちながら、私立大学まで含めた幅広い進路選択と部活動を両立したい生徒向けの、バランス・文武両道型

最終的な志望校選びは、偏差値の数字だけでなく、通学のしやすさ、部活動、学校の雰囲気といった要素を総合して、お子さん自身が「3年間ここで頑張りたい」と思える学校を選ぶことが、何より大切です。

ぜひ学校説明会や文化祭に足を運び、実際の校舎の雰囲気や在校生の様子を確認したうえで、納得のいく志望校選びを進めてください。