令和9年度(2027年)茨城県立高校入試日程まとめ

茨城県内で塾講師・家庭教師として20年以上受検生を見てきて、現在は茨城県内で高校進学アドバイザーとして中学生・保護者の進路相談を受けています。

この記事では、茨城県教育委員会が公表した「令和9年度茨城県立高等学校(全日制・定時制)入学者選抜実施要項」および「入学者選抜日程表」(いずれも令和8年7月公表)をもとに、令和9年度(2027年度)入試の正式な日程と選抜の仕組みを、できるだけ深く整理しました。

願書の準備から学力検査本番、合格発表まで、時系列で押さえるべきポイントと、20年間の指導で見えてきた「差がつくポイント」をあわせて解説します。

特に、お子さんのスケジュール管理を担うことの多い保護者の方に向けて、実務的に使える情報を意識してまとめています。長い記事になりますが、ブックマークして今後のスケジュール管理に役立ててください。

この記事の結論

先に要点だけ知りたい方向けに、重要なポイントを4つにまとめました。

  • 令和9年度の学力検査本番は2月25日(木)です。
  • 茨城県特有の制度である「志願先の変更(2月15日・16日)」の判断が、合否を左右することも少なくありません。
  • 令和9年度から「第2希望校」制度が新設され、従来の「第2次募集」は廃止されました。第2希望校への出願は第1希望校の合否に影響せず、学力検査を受け直す必要もありません。
  • 内申点は、教育委員会の公式資料では満点が明言されていないものの、一般に「135点満点」として扱われており、副教科の対策もA群・B群の判定に直結します。

令和9年度の茨城県立高校入試日程一覧

項目 日程
志願者情報入力期間(Web出願の事前登録) 令和9年1月6日(水)〜1月27日(水)
一般入学出願期間(第1希望校) 令和9年2月5日(金)・8日(月)・9日(火)正午まで
志願先の変更 令和9年2月15日(月)・16日(火)午後2時まで
第2希望校出願 令和9年2月18日(木)・19日(金)午後2時まで
一般入学学力検査 令和9年2月25日(木)
特色選抜面接等・共通選抜実技検査・連携型入学者選抜 令和9年2月26日(金)
追検査(学力検査) 令和9年3月4日(木)
追検査(共通選抜実技検査等) 令和9年3月5日(金)
合格者の発表 令和9年3月11日(木)午前9時
欠員補充 令和9年3月16日(火)

※上記は茨城県教育委員会が公表した公式資料に基づく確定日程です(令和8年7月時点)。

今後、細部の変更が公表される可能性もあるため、出願直前には必ず茨城県教育委員会の公式サイトもあわせてご確認ください。

過去2年との比較でわかる日程の傾向

日程は毎年同じではなく、年度によって数日前後します。

実際に令和7年度・令和8年度と比較すると、次のようになっています。

年度 学力検査 特色選抜面接等 合格者の発表
令和7年度(2025年) 2月27日(木) 2月28日(金) 3月12日(水)
令和8年度(2026年) 2月26日(木) 2月27日(金) 3月11日(水)
令和9年度(2027年) 2月25日(木) 2月26日(金) 3月11日(木)

3年分を並べると、直近3年連続で学力検査が「2月の最終木曜日」に設定されていることがわかります。

これが今後も続く確定ルールとして公式に定められているわけではありませんが、この規則性を知っておくと、次年度以降に受験する下の学年のご家庭でも、大まかな見通しを立てやすくなるはずです。

選抜方式の全体像を理解する

日程だけを覚えるより、「どの選抜方式で、いつ何が行われるのか」をセットで理解しておくと、志望校選びの精度が上がります。

茨城県立高校の入学者選抜には、主に次の4つの選抜方式があります。

共通選抜

すべての県立高校・学科で実施される、いわば入試の本体です。

5教科の学力検査(2月25日)と調査書(内申点)をもとに合否が判定されます。

後述するA群・B群という2段階の仕組みで合格者が決まります。

特色選抜

文化・芸術・体育などの分野で優れた資質・実績を持つ生徒を対象に、学校の裁量で実施できる選抜です。

募集枠は各学科の募集定員の50%を上限として設定されます。

学力検査に加えて面接(学校によっては作文・実技検査・プレゼンテーション)が課され、面接等は2月26日に行われます。

特色選抜で合格と判定されなかった場合も、自動的に共通選抜の合否判定に進むため、特色選抜への出願自体がリスクになることはありません。

特例入学者選抜

帰国生徒・外国人生徒・成人を対象とした選抜です。

帰国生徒・外国人生徒の特例入学者選抜は全校の全日制課程・定時制課程で実施されるのに対し、成人特例入学者選抜は全校の定時制課程のみで実施される点に違いがあります。

原則として学力検査本番と同じ2月25日(木)に行われますが、帰国生徒・外国人生徒については学校によって2月25日と26日の両日にわたって実施される場合もあります。

追検査が必要になった場合は、いずれも一般入学と同じく3月4日(木)が対象です。

連携型入学者選抜

県立小瀬高等学校で実施される、中高一貫的な連携を前提とした選抜です。

令和9年度は2月26日(金)に実施され、追検査が必要な場合は3月5日(金)が対象になります。

合否判定の仕組みをやさしく解説

茨城県立高校の共通選抜では、単純な合計点の順位だけで合否を決めるわけではありません。

次の2段階で合格者が決まる仕組みになっています。

  • 調査書(内申点) 中学1年〜3年の「各教科の学習の記録」「特別活動の記録」などが評価対象です。茨城県教育委員会は満点を公式資料上で明言していません。ただし多くの学習塾・進学情報サイトでは「9教科×5段階評価×3学年分(45点×3年)=135点満点」という計算方法で解説されています。実技4教科も主要5教科と同じ5段階評価で扱われます。「副教科だから軽視してよい」という考え方は当てはまりません。
  • 学力検査:500点満点 国語・社会・数学・理科・外国語(英語)の5教科、各100点満点です。この配点は茨城県教育委員会の公式実施要項で明記されています。

この2つの資料を使い、まず「A群」と「B群」に受検者を振り分けます。

ここでの基準は「募集定員」そのものではありません。「募集定員から特例入学者選抜枠・特色選抜枠の合格者数を引いた人数」が基準になる点に注意してください。

  • A群:条件は2つです。学力検査の得点合計の順位が、上記の基準人数の80%以内に入っていること。そして調査書の評定合計の順位も、同じ基準人数の枠内に入っていること。この2つを満たせば、原則として合格になります(調査書の記載事項や学力検査の結果に特に問題がある場合を除く)。
  • B群:A群の条件を満たさなかった受検者です。ここから先は「学力検査重視の選抜」と「調査書重視の選抜」の2つの方法で合格者が決まります。高校ごとに「学力重視型(例:80:20)」「内申重視型(例:20:80)」「均等型(50:50)」など独自の比率が設定されており、実際には20:80から80:20までの7段階の中から各校が選びます。

たとえば、特例枠・特色選抜枠を除いた実質の募集人員が100人の高校であれば、学力検査の順位が80位以内かつ調査書の順位も100位以内に入っている受検者がA群として原則合格となり、残りの人数についてB群の選抜(学力重視か調査書重視か)が行われる、というイメージです。

つまり、「内申点も当日点もバランスよく取れている受検者」がまず優先され、そこから漏れた場合に、各高校が重視する基準(学力重視か内申重視か)によって合否が分かれる、という2段構えの制度です。

志望校が学力検査重視型か調査書重視型かによって、残りの期間で伸ばすべき対象が変わってきます。

志望校ごとの目安となる偏差値や合格ラインは、茨城県立高校の偏差値・合格ライン一覧で確認しておくと、これから紹介する各日程での判断がぶれにくくなります。

各日程を時系列で詳しく解説

① 志願者情報入力期間(1月6日〜1月27日)

茨城県立高校の出願は、まず「いばらき電子申請・届出サービス」を使って志願者情報をインターネット上で登録するところから始まります。

願書そのものの提出とは別のステップなので、「願書は中学校の先生を通じて出すから安心」と思っていると、この事前登録を忘れてしまうケースが実際にあります。

冬休み明け、三者面談で志望校が固まったタイミングで、学校からの案内をよく確認しておきましょう。

② 一般入学出願期間(2月5日・8日・9日正午まで)

第1希望校への出願期間です。

窓口受付は2月5日(金)・8日(月)が9:00〜16:00、9日(火)は9:00〜正午までと、最終日だけ時間が短くなっています。

郵送出願の場合は簡易書留での必着扱いになるため、余裕を持った投函が必須です。

この時期はお子さんも追い込みの勉強に意識が向きがちですが、書類不備によるトラブルは想像以上に多いので、中学校の先生と提出物のチェックリストを共有しておくと安心です。

③ 志願先の変更(2月15日・16日午後2時まで)

茨城県入試の大きな特徴が、出願後に一度だけ志望校・学科を変更できるこの期間です。

例年、この時期には各校の出願状況が公表される運用となっており、ここでの判断が合否を左右することも少なくありません。

私が長年受検生を見てきた中では、内申点と当日の実力を冷静に比較し、「安全策に切り替えるべきか、挑戦を続けるべきか」を感情ではなくデータで判断できた家庭ほど、後悔のない結果につながっている印象があります。

先ほど紹介したA群・B群の仕組みを踏まえると、「お子さんは学力検査重視の学校と調査書重視の学校、どちらで戦うべきか」を軸に考えると判断がしやすくなります。

④ 第2希望校出願(2月18日・19日午後2時まで)

志願先変更の期間が終わり、出願状況が確定した時点で欠員が生じている学校を対象に、第2希望校として出願できる制度です。

対象になれるのは、あくまで①の一般入学出願期間にすでに出願している受検生に限られ、第2希望校として選べるのは1校のみです。

この制度は令和9年度から新たに導入されたもので、これに伴い、前年度まであった「第2次募集」は廃止されました。特に押さえておきたいのは次の2点です。

  • 第2希望校に出願しても、第1希望校の合否判定には一切影響しません。第1希望校の合否は、あくまで第1希望校として出願した受検者のみで判定されます。
  • 第2希望校では、改めて学力検査を受け直すことはありません。2月25日に実施される学力検査などの結果をそのまま用いて合否が判定され、第1希望校・第2希望校の合格発表はいずれも3月11日に同日実施されます。

上の学年の際の情報や過去の記事の内容をそのまま当てはめず、この制度が新設されたものであることを踏まえて確認するようにしてください。

⑤ 一般入学学力検査(2月25日)

いよいよ本番です。

国語・社会・数学・理科・外国語(英語)の5教科を、各教科50分間で実施します。

英語は筆記テスト35分+聞き取りテスト15分という構成です。

ここまで積み上げてきた学習量がそのまま結果に出る一日なので、前日までに新しい問題に手を出すより、既習範囲の見直しに時間を使うことを、これまで多くの受検生に勧めてきました。

⑥ 特色選抜面接等(2月26日)

前述のとおり、特色選抜の面接等(学校によっては実技検査・プレゼンテーション)が行われる日です。

同じ日に、普通科のスポーツ科学コース・音楽科・美術科・メディア芸術科の実技検査、多部制の定時制課程の面接、連携型入学者選抜(小瀬高等学校)も実施されます。

⑦ 追検査(3月4日・5日)

インフルエンザなど学校保健安全法上出席停止となる感染症や、急な入院といったやむを得ない事情で本番の検査を受けられなかった受検生を対象に、別日程で実施される制度です。

学力検査の追検査は3月4日(木)、実技検査等の追検査は3月5日(金)に行われます。

当日体調に異変がある場合は、無理をせず速やかに在籍中学校に連絡することが何よりも大切です。

⑧ 合格者の発表(3月11日午前9時)

一般入学(第1希望校・第2希望校とも)の合格発表日です。

この日を境に、進学先での新生活の準備が本格的に始まります。

⑨ 欠員補充(3月16日)

合格者が定員に満たなかった学科を対象に、最後の募集機会として実施されます。

特色選抜は実施されない点に注意してください。

なお、令和9年度は出願前の「第2希望校」制度が新たに導入されたことに伴い、これまで3月中旬に実施されていた「第2次募集」(改めて学力検査を行う再募集)は廃止されています。欠員補充は、第2希望校の仕組みを経てもなお欠員が残った場合の、最終的な受け皿という位置づけです。

月別の逆算スケジュールの立て方

学力検査本番が2月25日と決まった以上、そこから逆算して「いつまでに何を仕上げるか」を月単位で落とし込むことが重要です。

これまでの指導経験から、時期ごとにお子さんに意識してほしいテーマを整理しました。

  • 夏(〜8月):お子さんに中1・中2内容の総復習を終わらせてもらう時期です。ここでの取りこぼしは、秋以降の演習量にそのまま響きます。
  • 9月〜10月:中3内容の新出単元と並行して、定期テスト対策も内申点に直結するため手を抜けない時期です。学校の提出物・授業態度も含めて評定に反映されることを、お子さんと一緒に意識しておきましょう。
  • 11月〜12月:志望校の過去問演習を本格的にスタートする時期です。この段階で「学力重視型」「調査書重視型」どちらの学校を狙うかの方向性をある程度固めておくと、直前期の学習配分がぶれません。
  • 1月:Web出願の志願者情報入力(1月6日〜27日)と並行して、入試本番を想定した時間配分での演習に切り替える時期です。
  • 2月上旬〜中旬:出願・志願先変更という重要な意思決定が続く時期です。倍率の変化に一喜一憂しすぎず、これまでの模試データと照らし合わせて判断することが大切です。
  • 2月下旬:学力検査本番です。新しい問題に手を広げるより、これまでの誤答ノートの見直しに時間を使うよう、お子さんに声をかけてあげてください。

保護者ができるサポート

受検生本人だけでなく、保護者の関わり方も結果に影響します。

長年の指導経験から感じるのは、「出願書類の締切管理」「体調管理」「志願先変更の判断材料を一緒に整理すること」の3点を保護者が意識的にサポートしている家庭は、直前期にお子さんが学習に集中しやすい傾向があるということです。

特に②の出願期間や③の志願先変更の期限は、お子さん本人よりも保護者が把握しておいたほうがスムーズに進むケースが多いです。

学習スケジュールを支えるツールについて

塾に通っていても、理科や社会などの暗記科目や、お子さんがピンポイントで苦手にしている単元は、どうしても対策が後回しになりがちです。

そうした穴を効率よく埋める手段として、通学時間やちょっとした空き時間を使える学習ツールを併用する家庭も増えています。

たとえばスタサプのような映像授業サービスは、苦手単元の授業だけをピンポイントで見返せるため、内申点に直結する定期テスト対策と、学力検査に向けた実力養成を同時に進めたいお子さんにとって、隙間時間の使い道として相性が良いと感じています。

よくある質問

Q. 学力検査当日に体調不良で受けられなかったらどうなりますか?

A. インフルエンザなどの感染症や急な入院など、やむを得ない事情であれば追検査(3月4日・5日)の対象になる場合があります。無理に受検会場へ向かわず、速やかに在籍中学校へ連絡してください。

Q. 特色選抜で不合格になったら、その学校をもう受けられませんか?

A. 特色選抜で合格と判定されなかった場合も、自動的に他の受検生とあわせて共通選抜の合否判定に進みます。特色選抜への出願自体が不利になることはありません。

Q. 志望校は出願後に変更できますか?

A. 2月15日(月)・16日(火)午後2時までの期間内であれば、1度に限り志望校・課程・学科を変更できます。

Q. 内申点はもう決まっているので、今から何をしても意味がないのでは?

A. 中学3年生の成績も、一定の時期までは調査書に反映され続けます(具体的な締め切り時期は年度・学校によって案内が異なるため、詳細は在籍中学校の先生にご確認ください)。すでに固まった分を悔やむより、残りの期間で伸ばせる評定と、学力検査での上乗せ点の両方を具体的な数字で把握し、優先順位をつけることが重要です。

Q. 学力検査重視の学校と調査書重視の学校、どちらを選ぶべきですか?

A. 一律の正解はありません。お子さんの内申点と模試の得点を照らし合わせ、A群での合格を狙えるレベルか、B群での戦い方(学力検査重視か調査書重視か)を軸に、志望校の選抜方法とあわせて検討することをおすすめします。

まとめ

令和9年度(2027年度)茨城県立高校入試は、2月25日(木)の学力検査を軸に、1月上旬のWeb出願準備から3月中旬の欠員補充まで、およそ2か月半にわたって複数の重要な締め切りが続きます。

学力検査は直近3年連続で「2月の最終木曜日」に設定されており、特に「志願先の変更」は茨城県入試ならではの制度で、A群・B群という合否判定の仕組みを理解した上で判断することが、後悔のない結果につながります。

日程と制度を正確に把握したうえで、今の時点から逆算した学習計画を、お子さんと一緒に立てていきましょう。